世界中の金融マーケットが揺れるとき、東京株式市場は先頭を切って下がっていく。今期予想連結PERでは他市場と遜色がなくなっても、低迷状態の解消はいっこうに進んでいない。この背景には、日本の先物市場が充実していることが大きく災いしている。
たとえば、サブプライムローン問題で世界同時株安が起きたとき、中国株の買い持ちポジションをはずしたくないヘッジファンドなどは、日経平均株価やTOPIXといった日本の指数先物で空売りを仕掛けることにより、中国株ロング(買い)・日本株ショート(売り)のポジションを構築する。
◎主要国の株価比較 |
※2007年1月を1.0とした |
これでアジアのポジションをマーケットニュートラルとすることで、市場の混乱が収まるのを待つのだ。こうしたロング・ショート戦略が採用されるのも日本株に魅力が薄いからこそである。