――成田さん自身も新しい環境に飛び込み続けてきたのでしょうか。

 14歳の時から大学の講義にもぐり込んでいましたね。講演会などもたくさん行きましたし、とにかく新しい世界が知りたかった。

――今はスマートフォンで何でもできる時代ですが、子どもがスマホで世界観を広げることもできますか?

 いくらでもできます。賛否はあるかもですが、SNSだってやってみたらいい。ちなみに、わが家ではYouTubeを見ることを否定しません。ただ、いくつかルールを決めています。英語の動画なら見ていいよ、とか。「YouTubeが見たい」という子どもの願望は否定せずに、条件は付ける。あと、「何が面白かった?」と子どもに聞きます。子どもは面倒くさがりますけど、「だって面白いんだもん」とかでは、やりとりは終わらせません。親がそうやってアシストすると、スマホも利活用できます。

――成田さんはかなりの読書家ですよね。大人になっても教養を磨くことは必要でしょうか?

 世の中は、先人の知見や知識の積み重ねで成り立っている。その積み重ねを理解することが、教養だと思っています。人類は世代間でバトンをつないで現在を作ってきました。その流れのどこに自分が位置しているのか、歴史や科学や多様な主義・主張などから探っていく。自分が今どんなバトンを持っているのか、そのバトンをどうやって次の世代につないでいくか、そこに人生の意味があると捉えています。

 過去の人たちの頑張りを知ると、人生に目標を持ちたくなるんです。いや、目標を持たざるを得ないという気になってくる。少しでもいいから社会に貢献しなきゃと、自分のミッションを見つける上でも教養は活躍します。

 例えば、資本主義の歴史を学ぶとします。資本主義が生まれ、進展した過程を知ることで現在地点が分かります。そして、科学技術や地球環境の変化を学ぶと、それを受けて「じゃあ、これから資本主義をどうしていったらいいのか」ということが考えられるようになる。脱成長がいいのか、新しい資本主義を作るのがいいのか――いろいろな議論がありますが、少なくともそれらを知ることで自分の貢献のしどころが分かってきます。それがやがて自身のミッションに結実したりするんです。

 それから、国際的に活躍したい人は、やはり英語学習が大事ですね。文章を書く、メールを作るなどはAIが代理してくれても、やはり会話の領域においては、英語を学ぶことは重要であり続けるでしょう。英語が話せると、国際的な出会いの場は爆増します。ちなみに僕は英語が得意ではなかったのですが、YouTubeで学習しました。学ぶための動画はいくらでもあるので、ネイティブ並みとまではいかなくても、英語を話せるようになりましたよ。