“我慢しろ”では通じない
Z世代が企業を辞める理由
新卒入社後3年以内に退職したZ世代の入社理由を分析した結果、「会社のブランド・成長性」が最も多い理由であった。入社理由に関するクチコミ(原文ママ)を見てみよう。
「誰もが知っている企業に憧れて、世界を舞台に働ける規模の大企業で働きたいと思い、入社した。大手なので、福利厚生もしっかりしていると思ったため」(総合電機、家電、AV 機器)
「入社の決め手は大企業で仕事が出来るので社会的な信用があることに加えて、将来の安定さが1番の理由だった」(SIer、ソフト開発、システム運用)
一方、退職理由としては「キャリア・個人成長」が全体の3割を占めており、続いて「仕事へのやりがい」「人間関係・社風」「ワーク・ライフ・バランス」といった、働く環境に関する要因が挙がった。「会社のブランド・成長性」は退職理由としてはほとんど見られなかった。
退職理由に関するクチコミ(原文ママ)を見てみよう。
「ここでは成長できないと思った。できなくはないが、少なくとも最初の3年から5年は耐える必要があり、ここを越えることは私にはできなかった。先輩方は優しく、仕事を辞めるのに躊躇したが、会社全体の『我慢するべき』という風潮にはどうしても我慢ならなかった」(総合電機、家電、AV 機器)
「残業代はでるが、基本給が高くない。また、人事評価システムも不透明であり、若いうちにどれだけ頑張っても満足のいく昇給や役職のアップ等は期待できない。また、周りの士気も全体的に低く、やりがいがない上に将来性を感じない。このような環境で一生を過ごしても満足のいく人生を送れないと考えたため」(SIer、ソフト開発、システム運用)
就業経験のない学生には、企業のネームバリューや業績など、企業の「外見」を重視する傾向が強い。しかし、実際に長く働き続けるためには、自分が成長できるかどうかや、快適に働ける環境かどうかといった「ソフト面」のマッチングを確認することが重要だと明らかになった。