10月4日、自民党新総裁に選出され、記者会見に臨む高市早苗氏 Photo:Anadolu/gettyimages
株価、一時、4万8000円台に急騰
“高市トレード”は続くのか
10月4日に行われた自由民主党総裁選では、事前の小泉進次郎農水相優勢との予想に反し、高市早苗元経済安全保障相が勝利し、第29代総裁に選出された。
早ければ15日にも召集される臨時国会の首班指名選挙で、初の女性首相に選出される見通しだ。
高市氏は総裁選の公約で「『日本の底力』で、成長の未来へ!」、「日本列島を、強く豊かに。」を掲げ、成長重視の姿勢を前面に出してきた。積極財政、金融緩和維持の路線で、「アベノミクスの継承」を自身もこれまでもずっと唱えてきた。
週明け、6日、7日の株式市場は、「アベノミクス2.0」への期待感から、日経平均株価は一時、4万8000円台を突破、7日の終値は4万7950円88銭と、2日連続で過去最高値を更新するなど、“高市トレード”を彷彿(ほうふつ)させる状況だ。
だが、市場の活況は続くのかどうか。
第2次安倍政権時代と違うのは、国政選挙で全て勝利し、盤石の政権基盤を築いた安倍氏に対して、衆議院、参議院ともに自民、公明の与党は過半数割れの状態だ。
物価高対策など家計支援では、野党8党が一致しているガソリン税の旧暫定税率廃止から実行していくと思われるが、高市氏が総裁選で掲げた「年収の壁」緩和や給付付き税額控除では、野党間で主張や思惑が異なっている。
経済政策では、政策の近い国民民主党との連立などに動こうとすれば、外交や憲法問題で高市氏と姿勢が異なる公明党が反発、連立から離脱しかねない。
こうした複雑な政治情勢、さらには野党の要求する政策の財源をどう確保するかなど、「アベノミクス2.0」成功の課題は少なくない。株式の失望売りなどが起こる可能性は十分にある。







