武田薬品 「破壊と創造」最終章武田薬品工業の東京にあるグローバル本社 Photo by Masataka Tsuchimoto

製薬最大手の武田薬品工業は3月3日、国内希望退職者募集に約680人が応じたと発表した。現在までの判明分では、今年度の業界内リストラで最大規模。実は、社内中枢で設定された「目安人数」を大幅に上回る結果だった。(ダイヤモンド編集部 土本匡孝)

希望退職者募集に約680人が応募
「目安人数」を大幅に上回る

 フューチャー・キャリア・プログラム――。クリストフ・ウェバー社長CEO(最高経営責任者)率いる国内製薬王者、武田薬品工業において、このプログラムは希望退職者募集を意味する。

 2020年度に発動された際は、国内ビジネス部門(ジャパンファーマビジネスユニット〈JPBU〉、日本オンコロジー事業部)が対象で、勤続3年以上、年齢は30歳以上だった。募集人数は非公開とアナウンスされたが、営業担当者を意味するMR(医薬情報担当者)ら500人前後が応募したとみられる。

 武田薬品は今年度、このプログラムを再び発動した。

 対象はJPBUと国内の研究開発部門を意味するR&Dジャパン。勤続3年以上とし、19年に約6兆円で買収したアイルランド・シャイアーの元社員は旧社の勤続年数を加味。今回は年齢条件を設けなかった。

 24年12月2日~20日に募集し、退職日は25年2月末だった。

 気になる募集人数は「設定しない」とアナウンスされていたものの当然、社内の中枢では目安人数を設定していた。応募結果はその目算を大きく上回る約680人。判明分では今年度の製薬業界内のリストラで最大規模になった。

 JPBU、R&Dジャパン、それぞれの目安人数はどれほどだったのか。なぜ大幅に上回ったのか。