反撃の日本株! 新時代の最強株&投資術#9Photo:PIXTA

市場全体が軟調に推移する中でも、配当に注目した投資手法は依然有効だ。そこで、特集『反撃の日本株! 新時代の最強株&投資術』の#9では、過去10期連続増配の実績があり、3期先も増配予想となっている「連続増配が期待できる」30銘柄のリストをお届けする。連続増配は株価の下支えをするため、下落局面でも相対的に強い。果たして、どんな銘柄がリストに挙がっているのか。(ダイヤモンド編集部 山本 輝)

実績&予想でチェック
連続増配期待の30銘柄とは?

 トランプ関税による日本企業への打撃や米国経済の不透明感――。さまざまなリスクが高まる中、国内の株式市場は薄曇りの様相で、個人投資家にとっても悩ましい局面が続いている。

 だが、足元の軟調な株式市場においても、注目したい投資戦略がある。それが、配当に着目した銘柄選定だ。

 実際、高配当銘柄のパフォーマンスは良好だ。米国の相互関税の発表により、ごく直近で株価は急落しているものの、日経平均株価の2024年年初から3月下旬までの上昇率は11.5%だったのに対し、日経平均構成銘柄のうち高配当銘柄を集めた日経平均高配当株50指数の上昇率は、同19.5%と高い水準で上回っている。年初来の調整局面でも下値抵抗力があり、25年年初から先週末までで日経平均が5.6%下落したのに対し、高配当50指数は2.0%と微増を維持した。

「配当に着目した投資戦略は、現在の市場環境で良好なパフォーマンスを期待するのに有効な数少ない手法の一つだ」と解説するのは、智剣・Oskarグループの大川智宏主席ストラテジストだ。

 そこで、今回は配当の中でも連続増配に着目し、TOPIX(東証株価指数)構成銘柄の中から「過去10期連続増配」かつ「3期先まで増配予想」という、「連続増配が期待できる30銘柄」のリストをお届けする。

 具体的には、過去の連続増配実績に基づき、継続的な成長の実現と還元を行ってきた“基礎体力”のある企業を抽出。さらに、コンセンサス予想に基づき、今後も増配が期待できる銘柄をスクリーニングした。加えて、配当は利益に裏打ちされていることが好ましい。よって、12カ月先の予想純利益成長率が10%以上という条件も加味した。

 連続増配企業は配当が株価の下支えをするため、日本株全体が調整したときにも下値が堅く、全体相場の上昇時には利益成長と増配で株価が上昇しやすい。中長期で資産形成を狙う新NISA(少額投資非課税制度)にも向いており、投資初心者にもおすすめだ。

 また、長期の連続増配は業績が伸びないと実現できないことから、必然と経営力が高い企業が多くなり、その点も現在の荒れ模様の相場では注目したい材料といえる。

 早速、次ページで30銘柄のリストを紹介していこう。なお、次ページの銘柄リストの完全版には、過去11期と今後3期にわたる配当額の推移も全て網羅的に掲載した。これを見れば、どのようなペースで配当が増加してきたか、あるいはするのかも一目瞭然だ。

 ぜひ次ページで確認してほしい。