その点、デベロッパーの場合は街づくりという言葉でくくると同じ仕事になるものの、関わるステークホルダーが毎回異なるため、飽きることがなく、長く在籍される方が多くなるのが特徴でしょう。
一方で、ネガティブな面としては、ゼネラリストとしてのキャリアが基本であり、他業界で即戦力として通用するだけのスキルや経験が積みにくいことがあります。
もちろん人事や経理などの専門職の方であれば別ですが、そうでない場合はデベロッパー固有の業務も多く、総合商社と異なり、他業界に転職しやすいわけではないことに注意が必要です。
プロだから知っている「最新の採用ニーズ」
総合商社とデベロッパー、求める人材の違いとは?
このような特徴を押さえた上で、私が仕事をしている中で得た最新の採用ニーズについて解説いたします。
まず総合商社に関して。総合職としての採用と部署ごとの採用に分かれていることが特徴ですが、前者に関しては特定のスキルや経験というよりは、コンサルティングファームや投資銀行などのハイスペック人材を中心に広く門戸を開いています。新卒採用と近いイメージです。
一方で、後者に関しては「3つのパターン」で採用ニーズを捉えることが重要です。
一つ目は、総合職採用と同様のハイスペック人材です。投資銀行や戦略系のコンサルティングファームでM&Aに関わっていた人や、総合系のコンサルティングファームでDX系のプロジェクトに参画していた人がメインターゲットとなっており、支援会社としての豊富なプロジェクト経験が評価されて採用されるケースが多いようです。特に、投資銀行出身者に関しては、やはり新卒プロパーでファイナンスの専門人材を育成する難度は高いため、重宝される傾向にあります。
そして2つ目は同業界の人材です。言うまでもないですが、総合商社もやはり即戦力人材は求めています。加えて、デベロッパーとは異なり、転職される方も一定数存在しているため、専門商社などで高い実績を出してきた人材を補充要員として採用することがあるようです。