1億円以上稼ぐ取締役1109人の実名! 上場3935社「年収1億円以上幹部」ランキング#13Photo:PIXTA

実は日本の上場企業には「年収1億円以上」のビジネスパーソンが1109人もいる。果たして、どんな顔触れなのだろうか?報酬が、諸外国に比べて低過ぎるという指摘もあるだけに、年収が高いこと自体は批判されるべきではないだろう。ただ、業績や株式市場からの評価が振るわないにもかかわらず、1億円ももらっているのであれば、従業員や株主は心穏やかではいられないかもしれない。そこで、ダイヤモンド編集部では上場企業3935社を対象に、年収1億円以上の経営陣を調査、業界ごとに実名でのランキングを作成した。特集『1億円以上稼ぐ取締役1109人の実名!上場3935社「年収1億円以上幹部」ランキング』(全24回)の#13では、鉄鋼業界の報酬ランキングを掲載する。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

鉄鋼業界は年収1億円以上が16人!
大手も苦境に立ち幹部の年収は低めに

 鉄鋼業界が大きく揺れ動いている。まず、業界全体が未曽有の危機に直面している。中国勢の安値攻勢に原料価格の上昇、自動車や建設向け需要の低調……。詳しくは『ワースト2位の日本電解が経営破綻!【鉄鋼・金属22社】倒産危険度ランキング最新版、1位は?日本製鉄グループの出資先もランクイン』を見てほしい。

 さらには、業界の盟主である日本製鉄のUSスチール買収も見通しははっきりとしない。こちらも『【25年の鉄鋼業界】日本製鉄は米国で大ばくち、ミタルとティッセンは存在感低下で業界全体が「新フェーズ」へ突入!』を参照してほしい。

 そんな鉄鋼業界の幹部の年収は高くなく、少なくとも待遇の部分では世界のライバルと戦うには寂しい状況だ。時には米国の大統領すら相手にして戦う日本製鉄の橋本英二会長ですら、本特集の他業界上位の経営者と比べれば低い。

 ダイヤモンド編集部では、経営トップの会長、社長のみならず役員を対象に、年収1億円以上の高額な報酬を受け取っている人物を業界別に集計した。1社から複数人が記載される場合もある。また、本特集では高収入を単純に批判する狙いはない。ランキングには、年収額と併せて、PBR(株価純資産倍率)、ROE(自己資本利益率)、時価総額も掲載しているので、それらに「見合う年収」を得ているかの参考にしてほしい。今回は鉄鋼業界を対象とした。

 では、鉄鋼業界で「年収1億円以上」の経営幹部は、どれほどいて、どんな顔触れなのだろうか?集計の結果、鉄鋼業界で「年収1億円以上」は16人いることが判明した。全業界の平均が33.6人だから、極めて少ない。また後述するが金額も寂しい水準にある。

 日本製鉄、JFEホールディングス、大和工業、神戸製鋼所、大同特殊鋼といった企業の幹部たちは、幾らもらっているのだろうか。全業界の上場企業の平均と比較して水準は高いのだろうか。次ページで実名と共に一挙に見ていこう。