日本製鉄による米USスチール買収がメディアを騒がせ続けているが、鉄鋼業界の地殻変動は日米だけではない。今、業界全体が新たなフェーズに入りつつあるのだ。特集『総予測2025』の本稿では、中国や欧州、インドの動向も交えながら、2025年の鉄鋼業界を徹底予測する。(ダイヤモンド編集部 今枝翔太郎)
日本製鉄のUSスチール買収が政治問題化
2025年の鉄鋼業界は波乱の幕開け
ここ1年ほどの間、国内鉄鋼最大手の日本製鉄による米USスチール買収がメディアをにぎわせ続けている。バイデン米大統領が買収中止命令を出したことで、企業の買収劇が国際問題になりつつある。
世界の鉄鋼業界では、日鉄や欧州最大手のアルセロール・ミタルをはじめ、以前から合従連衡が繰り返されてきた。米国も例外ではなく、USスチールは2023年に米クリーブランド・クリフスからも買収提案を受けている。
実はグローバルの鉄鋼業界再編は、新たなフェーズに入りつつある。勢力図が激変しつつあるのは、米国だけではないのだ。次ページでは、日米だけでなく中国や欧州、インドの動向も交えながら、2025年の鉄鋼業界を徹底予測する。