ヤフオクで気づいた「価格のギャップ」
いまでこそ若い女性声優が歌手として活動することは珍しくありませんが、当時はそんなムーブメントが起き始めたくらいのころでした。
そこで私はよく、推しの女性声優さんのCDをヤフオクでチェックしていたのです。するとそのうち、「店頭で販売している価格とヤフオクで販売されている価格にギャップがある」ことがわかってきました。
とくに、「廃盤になって店頭で購入できなくなったCD」などが、ヤフオクで高値で売られていることに気づいたのです。
「初回限定盤」を寝かせて高値で売る
そこで私がよくやっていたのは、「CDの初回限定盤を買って未開封のまましばらく寝かせておき、店頭で手に入らなくなってからヤフオクで売る」ことで利ざやを稼ぐ手法でした。
発売して半年もすれば、初回限定盤はあまり市場に出回らなくなります。
もともと人気のあるアーティストは初回限定盤の販売数も多いですが、私はまだそこまで人気が出ていないアーティストの初回限定盤を買い、人気が出たところで売るのが得意だったのです。
「目利き」のセンスが成功のカギ
もちろん、どんなCDでもいいわけではありません。そこには“目利き”のセンスも必要になります。
まずは自分でそのアーティストの音楽を聴いてみて、「これはいいな、たぶん売れるはずだ」と感じるものを選びます。
さらに所属事務所が力を入れて売り出そうとしている歌手であれば、なおヨシです。
「売れるかもしれないけど、自信はないな」と思うものについては、初回限定盤を1枚だけ購入。逆に「これは絶対売れる!」と自信を持てるアーティストであれば、初回限定盤を5枚、6枚と買い込むこともありました。
CDの特典を分割して利益を最大化
当時は、CDを買うと特典として「告知ポスター」や「店舗特典ブロマイド」がついてくることもありました。
当時、ネット通販でCDを購入すると送料がかかるため、利用する人はそれほど多くありませんでした。しかし、そのためかネット通販の特典がCD本体よりも高値で売れるケースもあったのです。
そこで、私はネット通販でCDを複数枚購入し、「CD」「告知ポスター」「店舗特典ブロマイド」と小分けして出品することで、総額で定価の2倍以上で売れることもありました。
例えば、1枚1300円のCDを、CD(未開封新品)700円、告知ポスター500円、店舗特典ブロマイド1200円と小分けして売るという方法です。
これが複数枚あれば、それなりの利益が積み重なります。こうして趣味を実益につなげたというわけです。
せどりの経験が株式投資の考え方につながる
いま振り返ると、このやり方は私自身の株式投資のスタイルに通じているのかもしれません。
まだ注目されていないけれど将来有望なアーティストのCDを早めに買っておいて、人気が出たところで高値で売り抜く。
まさに株式投資の考え方そのものです。
推しの成長が「成長株投資」の喜びに通じる
また“推し”である声優・水樹奈々さん自身も、最初は収容人数500人程度のライブ会場で歌っていたのに、のちにCDがオリコンチャート第1位に輝き、東京ドームや甲子園球場でライブを開催するまでに人気が高まりました。
自分がこれだと思った“推し”が大きく成長していく過程は、まさに成長株投資そのもの。
この体験があるので、やはり株式投資においてもこういった“推し”銘柄が大きく成長していく過程には、よりいっそうの喜びを感じます。
せどりの経験が投資の成功へとつながる
このように、私が大学時代に取り組んでいたせどりの経験は、結果的に投資における「目利き力」や「将来の成長を見抜く力」を磨くことにつながりました。
せどりで「安く仕入れ、高く売る」感覚を身につけたことが、後の株式投資にも活かされているのです。
※本稿は『5年で1億貯める株式投資 給料に手をつけず爆速でお金を増やす4つの投資法』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。