効果が期待できる薬が
健康を害することも

 どの薬剤も、「使った方がよい場合」もあれば、「使わない方がよい場合」もあります。医師による診察を受けて、ご自身に合っているかどうか判断してもらいましょう。

「こういった医薬品の安全性の面について、自己判断をすることは危険です。例えば、薬の副作用についても、薬効が強い医薬品ほど副作用が強い、反対に、薬効が弱い薬なら副作用が少ない、という単純な図式が成り立たないこともあります」

 インターネットを簡単に検索しただけで得られる情報には、偏りや間違いが含まれることもあり、注意が必要です。

「日本の薄毛治療のガイドラインは、『男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版』が2023年8月時点での最新となりますが、当然これには2017年以降に判明したデータや研究結果を用いた医学的判断の推奨事項が含まれていません。治療の効果や安全性について最新の情報を得るためにも、病院やクリニックなど医療機関で相談することが必須です」
 
 なお、AGAの他にも薄毛になる病気があるそうです。具体的には、免疫の異常によるもの(円形脱毛症が代表的)、何かの病気を治療した時の副作用によるもの(薬や放射線治療などによる脱毛)、感染症(梅毒、新型コロナウイルスなど)、自分で髪の毛を抜いてしまう行為が止められない(抜毛症)などの原因も。あるいはこれらが複合するケースもあるとのこと。

 薄毛の治療やケアを考えている人は、自己判断は危険だということを肝に銘じておきましょう。

(監修/駅前AGAクリニック院長 長谷川 誠)