トヨタPhoto:Peter Dazeley/gettyimages
*本稿は、週刊ダイヤモンド2025/03/29号特集2「就職人気企業ランキング2025春」を転載したものです。

続く売り手市場下で、初任給引き上げをはじめ若手の処遇改善や人事制度の見直しに取り組む企業が増加している。学生獲得競争が激化する中、人気を集めた企業はどこか。全5回の連載「就職人気企業ランキング2026卒就活【後半戦】調査」第3回は理系男子のランキング完全版を取り上げる。(調査・分析/ダイヤモンド・ヒューマンリソース 経営企画室室長 高村太朗)

*著者の苗字「高」ははしごだか。

トップ5は5大総合商社
伊藤忠商事が1位に

 1位の伊藤忠商事をはじめ、三菱商事(2位)、丸紅(3位)、住友商事(4位)、三井物産(5位)と理系男子においても総合商社がトップ5を独占した(下表参照)。

 総合商社の理系採用人数はメーカーと比べれば多くはないが、毎年一定数の理系学生を採用している。

 DX(デジタルトランスフォーメーション)の加速により、企業の理系採用意欲が年々高まる中で、理系出身者が理系の素養を生かしてどのように活躍しているのか積極的に発信。幅広い事業領域で、理系出身者の活躍舞台が多数あることが学生に浸透してきており、事業のプロデューサーとして活躍したいと考える学生も増加している。

 1位の伊藤忠商事は、2024年度新卒採用での理系比率は4人に1人。「厳しくとも働きがいのある会社」を掲げ、産業界に先駆けて導入した朝型勤務や、夜の会食を1次会まで、午後10時には終了する「110運動」など働き方改革への先進的な取り組みも好感度が高い。

 2位の三菱商事は、学生生活の事情に合わせて就職活動の時期を選べるようにするため、採用選考が解禁される6月に加えて春休み期間に重なる3月にも選考を行っており、学生に好感を持たれた。24年度新卒採用の理系比率は3割を超える。

 3位の丸紅、4位の住友商事は、応募時に学生が希望した部署への配属を確約するコース別採用を実施。キャリアへの多様な意志をより尊重する制度として浸透しつつあり、理系の専門性を生かしたい学生にも好評だ。

 次ページからは「就職人気企業ランキング」1~100位の完全版を紹介する。