「結局、面接だってなんだって、コミュニケーションは相手を楽しませたもん勝ちなんだよ。会社の創業50周年なんて、社外の人はだーれも気にしていないけど、社内では1大イベントのお祭り騒ぎだ。こういうネタを事前に仕込んでおくと、相手からの『仲間意識』を獲得しやすい」

「なるほど」

「採用判断って最終的には、『この会社のメンバーとして違和感なくなじめそうか』が一番大事だからね。そういう『中の人が仲間意識を持ってくれそうなネタ』をいくつか仕込んでおくと、初対面でも一発で気に入られるキラーフレーズになり得るんだ。もちろん、『創業50周年』というのは単なる例えだよ」

「拝見しましたよ、先週の新製品発表会のニュース!豪華イベントでしたね!」

「そういえば、御社は最近、社長が交代されたんですね!大きな節目ですね!」

「つい数日前の、○○社と△△社の吸収合併、あれはびっくりしましたね!」

「中身は何でもいいから、こういうネタを事前に仕込んでおいて、相手の雰囲気に合わせて出せるようにしておくと、好感度アップのチャンスになるよ。ただ、あまりやり過ぎると引かれて逆効果になるから、その場の空気を読みながら適当に加減はしてね」

世の中のほとんどの人は口下手
緊張するのは「準備が足りない」から

「面接かぁ、正直ちょっと自信がないなぁ」

「なんでそんなに、いちいちネガティブなんだよ?」

「僕、昔から口下手だし、陰キャだし、オタクだし…」

「田中君さぁ、そんなこと言い出したら、世の中のほとんどの人は口下手なんだよ。お笑い芸人やイベント司会者みたいにペラペラ話せるのは、ほんの1部の人だけだ」

「え?そうかなぁ」

「口下手って言っても、普段の仕事で打ち合わせくらいはあるだろ?そこで普通に話せるのなら大丈夫だよ。言っただろ?中途採用の面接は少人数の打ち合わせに近い雰囲気だって」

「打ち合わせはするけど。でも、社内の顔見知りの人たちと仕事の話をするのと、初対面の相手から試験として質問を浴びせられるのって、感覚的には全然違うと思うんだよなぁ。絶対緊張しちゃうよ」

「緊張するのって、なんでだと思う?」

「初対面の人だから?」

「違うよ。一言で言えば、準備が足りないからだ」

「準備?」

「例えばさ、社内の知っているメンバーとの打ち合わせだとしても、参加者全員が10歳以上年上の管理職で自分1人だけが平社員。なぜその場に呼ばれたのか、まったく分からない…っていうシチュエーションだったら、緊張するだろ?」