転職エージェントの95%はダメ、それでも「強み」がない人こそ頼ったほうがいい理由写真はイメージです Photo:PIXTA

転職にはいくつかの方法があるが、近年メジャーになりつつあるのが転職エージェントを頼る方法だ。目立った経歴や強みがないと感じている人にとって、エージェントを利用することは敷居が高い印象だが、強みが何もない人こそ転職エージェントを使うべきだと転職ライターの安斎響市氏は言う。新卒4年目で転職を考える田中君とAIアドバイザー「転職デビル」の会話からその理由を読み解いていく。※本稿は、安斎響市『転職する勇気 「強み」がない人のための転職活動攻略マニュアル』(扶桑社)の一部を抜粋・編集したものです。

企業選びは転職エージェント経由と
直接応募どっちが正解?

「転職デビルは、転職活動の9割は企業選びで決まるって言ってたよね?」

「うん、そうだよ」

「その、企業選びのことをもっと教えてよ」

「そうだね、じゃあ、田中君に合わせた説明をしようか」

「僕に合わせた説明?」

「転職活動で応募企業を見つける方法って、転職エージェント経由とか、ヘッドハンティングとか、リファラル(友人知人の紹介)とかいろいろあるけど、田中君みたいな強みが何もない人が取れる選択肢は、基本的に1つだけだ」

「えー、1つしかないの?」

「いいんだよ、1つあれば十分なんだから」

「何?その1つって」

「転職エージェントを使う。これ一択だね」

「それ、自分が転職アプリの中の人だからそう言ってるんじゃないの?さっきも、人材系企業勤務だとか何とか言ってたし」

「違うよ。転職エージェント経由が一番良いから、それを勧めてるんだ」

「でも、SNSの噂で、直接応募の方が通過率が高いっていうのを見たことあるけど」

「そういうの、信じちゃダメだよ。田中君って、悪い人にすぐダマされそうだよね」

「お前も悪魔だろ…」

「直接応募が絶対にダメってわけじゃないけど、そもそも直接応募が可能な求人は全体の中でかなり少ないんだ。単純に、直接応募しか見てない人は、選択肢がめちゃくちゃ狭まる」

転職エージェントが持っている
「非公開求人」こそ価値がある

「転職エージェントしか、求人情報を持ってないってこと?」

「そう。いわゆる非公開求人。この保有求人の『量』と『質』が、転職エージェントが持つ価値の一つだ」

「いやぁ、でもさ…、転職エージェントってなんだか怪しいじゃん。わざわざ第3者を挟むより、直接企業とやり取りした方が手っ取り早い気もするんだけど」

「もちろん、そういう側面もあるよ。でも、それは、ある程度の転職上級者になってからでいい」

「転職上級者?」