女性に対して
どう在りたいか
――北村さんご自身は女性に対してどう在りたいと思いますか。
僕も女性に気を遣うべきだと思っています。
――今田さんとの共演場面では、彼女のやりたいようにお任せしているのでしょうか。
今田さんのやりたいようにやっていいですよとわざわざ言うわけではないですが、嵩は基本的に受け芝居で、自分から球を投げることはあまりないんです。嵩が唯一、球を投げるとしたら絵を通してでしょうね。
なので、たいてい自然と相手役に自由にやってもらったものを受け止めています。のぶをはじめ様々な人たちの感情を受け、言葉で返したり、相手の気持ちに同調して一緒に涙を流したり。
のぶとのシーンは感情的にも行動的にものぶが引っ張っていくことが多いので、僕は彼女の思いをどれだけ純度高く受け取っていけるかを大事にしています。
――純度を高めて思いを受け取るというのは、どういう感じなのでしょうか。
例えば、泣くシーンでは、ふたりで助け合って涙を流すわけではなく、芝居のなかでお互いがそれぞれとてもピュアにやっているからこそ流せる涙というものがあって。
そのため、本番に至るまでの間、今田さんに気負わせないような立ち振る舞いや、現場での佇み方に気を遣うようにしています。
――作品によっては北村さんが座長のときもありますよね。
『東京リベンジャーズ』では僕が座長として、今田さんが演じる役を何度も救ってきました(笑)。
――座長を務めるときはどういう意識で現場にいますか。
僕が座長でいるときの意識としては、ひとり率先して引っ張っていくという感覚より、みんなを繋ぐ役割をすることをモットーにしています。
キャストさんもスタッフさんも含め、みんなでたくさん会話をしてコミュニケーションを取りたいタイプです。
『あんぱん』の戦争シーンの撮影では、今田さんがいないので、自分が座長の気持ちではいました。『あんぱん』のあたたかい世界観をいったん捨てて、柳井嵩が主演の戦争ドラマを演じているという思いでやっていました。