米半導体大手エヌビディアのAI(人工知能)コンピューティング分野における地位は強固で、同社の低性能チップでさえ十分な需要がある。貿易戦争においては、これが利点ではないことが明らかになりつつある。
16日、エヌビディアの株価は大幅安となった。同社が自社製AI半導体「H20」について、中国など一部の国に販売する際に米政府の許可が必要になったと発表したことが響いた。同社はこれを受け、H20の在庫や購入契約に関連する費用として2-4月期(第1四半期)に最大55億ドル(約7800億円)を計上する見通しだという。
UBSのティム・アークリ氏によると、在庫費用はH20の実際の販売額が130億ドル程度であることを示している。エヌビディアは2025年1月期のデータセンター売上高が1152億ドルだった。ファクトセットによると、同売上高は26年1月期に約1820億ドルに達すると予想されている。