定年後にインターン!?「シニア・インターン」で新たなキャリアを開いた63歳に話を聞いてみたPhoto:PIXTA

深刻な人手不足が続く日本企業において、定年後のシニア層の活用には大きな期待が寄せられている。一方で、転職経験の少ない50~60代にとって、「今いる会社以外で働くこと」のハードルは決して低くないだろう。そんな中、興味深い取り組みをしている企業がある。横浜市のIT企業、システムアイだ。同社は昨年から「シニア・インターン」と題し、50~60代の人材を対象にインターンを実施している。今回は、同社の取り組みを紹介するとともに、定年後も新天地で活躍できる人の共通点を探ってみたい。(ライター 奥田由意)

「インターン」をきっかけに
62歳で転職

 インターンシップといえば、新卒の就職活動でいまや欠かせないプロセスとなっている。

 そんな中、シニア世代を対象にインターンを実施し、成果を上げている企業がある。横浜市にあるIT企業、システムアイだ。

 同社の「シニア・インターン」プログラムを経て、2024年10月から正式に入社した岡田浩一さん(現在63歳)は、約28年間ITベンダーでシステム開発やプロジェクトマネジメントに携わった後、50歳で事業会社に転職。その後、定年を迎えた。

「ITの仕事は体力も必要で、若い人が中心になる。若い世代が活躍する場をつくる教育の仕事がしたい」と考えていた岡田さん。定年後は社会人特別枠で教員になることを考え、実習などの経験も積んでいたという。しかし、赴任予定先が遠方だったこともあり、辞退。

 そんなタイミングで、システムアイの取り組みを知り、応募を決めた。