茨城県のJA稲敷で2月、西部地区から選出された役員が集団辞職する前代未聞の事態が発生した。特集『JAグループ崩落』の#13では、辞任した5人のうち4人と元職員に、農家の意見を軽視している農協の実態を語ってもらった。(ダイヤモンド編集部 岸畑伸悟、久保田剛史、千本木啓文)

令和のコメ騒動で浮き彫りになった
プロ農家の「農協離れ」の深刻さ

 農協に不満を抱くプロ農家は多いが、地域のしがらみなどで、農家が表立って農協を批判することはまれだった。

 だが、ついに農協に反旗を翻す農家が現れた。茨城県のJA稲敷の理事会で2月、西部地区から選出された役員7人中5人が辞表をたたき付けたのだ。JA稲敷の役職を辞した元役員の一部(理事3人と監事1人)や元職員に、農協の問題点などを語ってもらった。