
売上高が1年で2倍という驚異の成長を遂げている国内系中堅コンサルティングファームのノースサンド。「ベイカレクローン」の一社としても注目を集める同社だが、その急成長の要因は何なのか。長期連載『コンサル大解剖』の本稿では、前田知紘社長のインタビューの後編をお届けする。前田氏は、同社の特徴として離職率の低さや、その背景にある採用戦略の独自性について語った。また、今後も年400~500人の採用ペースを維持することも明らかにした。
年間400~500人の採用を継続
離職率が低い理由は?
――採用状況について教えてください。
これまでの実績だと、中途採用で月当たり約30人の採用を進めてきました。また、新卒は年100人前後を採用しており、採用実績は年間で400~500人くらいになります。今後も、同じぐらいのペースで採用を続けていくイメージです。
他社と大きく違うのが、離職率ですね。ほかのコンサルファームだと、離職率が20%を超えるようなところもあると思いますが、われわれは、創業以来6~7%ぐらいを維持しているので、社員の純増ペースが速いんですよ。まさに、われわれが「人にフォーカスするコンサル」であることを体現している実績ですね。
――いわゆる「ホワイト」な職場環境ということなのでしょうか。
もうホワイトですね。力を入れていることの一つが、社員のフォロー体制です。例えば、ある案件で評価が低かったコンサルタントがいたとします。どうしてもモチベーションや周囲からの見られ方で壁ができてしまい、次の案件でも引きずってしまいますよね。そうしたときに、そのモチベーションの対処の方法や、現場に入る前の必要なスキル確認などをフォローアップし、最短ルートでパフォーマンスを出せるための仕組みをつくっています。
ほかのファームだと、パフォーマンスが出ない人たちはどこかの“箱”に入れられて辞めるまで待つ、みたいなイメージがあると思いますが、うちはそれがないんです。その人に合う現場を探したり、研修を重ねたりして、要は“見捨てず”に伴走してパフォーマンスが出るようにするんです。
次ページでは、前田氏が同社の採用戦略について、「ファンづくり」といったキーワードを挙げながら、その独自性について明かす。人材獲得競争が激化する中でも、ノースサンドが満足のいく採用ができている理由とは。また、前田氏は同社とライバルファームとの決定的な違いについて、コンサルらしからぬ雑用が「地道にできるかどうかだ」と強調する。その発言の真意とは。