ドナルド・トランプ米大統領が本当に望んでいるものを解説すること自体が一大産業化しているが、それが世に出るや否や間違っていることが判明する場合も多い。しかし、トランプ氏の関税政策について明らかなことが二つある。貿易赤字の削減と、米製造業再建のための投資を望んでいることだ。同氏がこれらの目標を達成できるかもしれないと考える真の信奉者は、その結果として他に何が必然的に起きるかをよく考えるべきだ。出発点は国際収支だ。これは一国の経済における貿易と投資の最も広範な指標である。この二つの側面はバランスが取れていなければならない。すなわち、貿易の流れいくつかの項目を集計する経常収支と、株式や債券などを購入したり工場に投資したりするために流出入する資本や資金を測定する資本・金融収支とのバランスだ。