
京都の名門女子大学である京都ノートルダム女子大学が学生募集停止を決断した。少子化の加速で学校淘汰が進む時代、受験校選びでは名門校の看板や「入試偏差値」だけでなく、経営状況にも目を光らせる必要がある。そこでエスカレーター校を運営する全国233学校法人の「経営偏差値」を初算出した。特集『エスカレーター校の経営偏差値』の#2では、経営偏差値50未満となった108学校法人のワーストランキング、および各学校法人のポジションが一目で分かる経営偏差値一覧表を大公開する。(ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)
京都ノートルダム女子大が消える
連続赤字と連続定員割れ
学校法人ノートルダム女学院は4月25日、京都ノートルダム女子大学の学生募集を2026年度以降停止すると発表した。京都の名門女子大が姿を消すことに、世間は驚いた。しかし、ノートルダム女学院の経営実態を知れば、自然な成り行きであったことが分かる。
15年度までさかのぼってみると、企業でいう経常利益に当たる「経常収支差額」が各年度全て赤字。大学は19年度までさかのぼって毎年定員割れ(収容定員ベース)。大学の学生数(在籍者数)は、1180人(19年度)→1309人(20年度)→1307人(21年度)→1219人(22年度)→1099人(23年度)→881人(24年度)で推移し、ついに1000人を切った。
大学をこのまま続ければ、いずれ小学校、中学校、高校まで共倒れしかねない。実はこのタイミングで募集停止を決断しなかった場合、「ある爆弾」が投下されて致命傷を負う可能性もあった。
名門エスカレーター校であっても大学が消滅する、学校法人ごと立ち行かなくなるといったことがこれからどんどん起こるはずだ。この学校淘汰時代、学校関係者はもちろん、受験生やその家族も受験校選びで経営について目を向ける必要がある。
とはいっても、気になる学校を運営する学校法人全ての財務資料をいきなり読み込み、他校と比較までするのは容易ではない。「入試偏差値」のように、経営にも偏差値があれば、各学校法人の経営状況をざっくりつかめるだろう。
そこでダイヤモンド編集部では、エスカレーター校を運営する全国233学校法人の「経営偏差値」を初算出した。
次ページでは、233学校法人のうち、経営偏差値50未満となった108学校法人の経営偏差値ワーストランキング、および各学校法人のポジションが一目で分かる経営偏差値一覧表を大公開する。ノートルダム女学院は何位か。致命傷を負いかねない「ある爆弾」とは何なのか。同じ関西の学校法人では甲子園学院、また女子大を擁する学校法人としては川村学園が先に被弾している。