エスカレーター校の経営偏差値#4Photo:DBenitostock/gettyimages

男女共学化の道を選んだ光華女子学園、親和学園、園田学園、松蔭女子学院の経営実態とは?彼らは“第2の京都橘”になれるのか。少子化の加速で学校淘汰が進む時代、受験校選びでは名門校の看板や「入試偏差値」だけでなく、経営状況にも目を光らせる必要がある。そこでエスカレーター校を運営する全国233学校法人の「経営偏差値」を初算出した。特集『エスカレーター校の経営偏差値』の#4では、近畿エリアにある60学校法人の経営偏差値ランキング、および各学校法人のポジションが一目で分かる経営偏差値一覧表を大公開する。(ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)

親和、園田学園、神戸松蔭に続き
光華女子学園も「共学化」にかじ

 京都を拠点にする学校法人光華女子学園は2026年4月、大学、短期大学部、大学院、ならびに中学校、高等学校を男女共学化し、幼稚園、小学校を含め全ての運営校を男女一貫教育できる体制に移行する。学校法人名は「光華学園」に、大学名は京都光華女子大学から「京都光華大学」に変更する予定だ。

 全国の中高や大学で共学化ブームが起きており、兵庫の学校法人では親和学園が23年4月に、園田学園、松蔭女子学院が25年4月に共学化へとかじを切った。

 親和学園は、神戸親和女子大学を「神戸親和大学」に名称変更して共学化。さらに女子中高一貫校である親和中学校・親和女子高等学校に25年4月、「共学部」を設置し、男子生徒の受け入れを開始した。

 園田学園は、園田学園女子大学を「園田学園大学」に名称変更し、段階的に共学化を進める。短期大学部は25年度から募集停止した。

 松蔭女子学院は、神戸松蔭女子学院大学を共学化して「神戸松蔭大学」に、女子高である松蔭中学校・松陰高等学校では、26年4月から一部コースで男子生徒の受け入れを始める。

「定員割れ」からの打開策
“第2の京都橘”になれるのか?

 現代の学生・生徒は共学志向が強く、とりわけ大学は「女子大離れ」が著しい。名門女子エスカレーター校であっても学生を集められなくなり、近畿エリアでは神戸海星女子学院大学が24年度に入学者の募集を停止し、京都ノートルダム女子大学は26年度以降の募集を停止する。どちらも定員割れが続いていた。

 京都光華女子大、神戸親和女子大、園田学園女子大、神戸松蔭女子学院大もまた、定員割れに陥っていた。彼らは経営の打開策として、閉学ではなく共学化の道を選んだわけだ。

 では、共学化すれば生き残れるのか――。

 ダイヤモンド編集部では、エスカレーター校を運営する全国233学校法人の「経営偏差値」を初算出した。学校淘汰時代、学校関係者はもちろん、受験生やその家族も受験校選びにおいては経営について目を向ける必要があるからだ。

 共学化した学校法人のうち、経営偏差値で高い数値をたたき出したのは京都橘学園である。2000年代に入って共学に転じ、総合大学として成功している。

 次ページでは、233学校法人のうち、近畿エリアにある60学校法人の経営偏差値ランキング、および各学校法人のポジションが一目で分かる経営偏差値一覧表を大公開する。共学化の新規組、先行組は何位か。新規組は“第2の京都橘”になり得るのか。