企業の間で人工知能(AI)を事業に組み込む動きが広がる中、米IBMは同社が投資家にとって再び重要な存在になったとアピールしている。だがIBMには証明しなければならないことがまだ多い。IBMのアービンド・クリシュナ最高経営責任者(CEO)は、生成AI関連事業の規模を60億ドル(約8600億円)へと地道に押し上げてきた。この大部分は、AIの活用を目指す企業向けのコンサルティング契約だ。ソフトウエア事業も成長しており、2021年にIT関連の外部委託事業(現キンドリル)を分社化して以降、焦点が一層絞られている。こうしたことを総合すると、IBMは絶好調とまではいかないが以前より好調だ。IBMでCEOを務めたルイス・ガースナー氏は2002年、1990年代にビジネス向けコンピューターの代名詞でもあった同社の再建について、「Who Says Elephants Can’t Dance?(邦題:巨象も踊る)」という本を書いた。それ以降、クリシュナ氏ほどIBMを踊れる状態に近づけた経営者はいないとの見方もある。
復活したIBM、AI分野で実力示せるか
クリシュナCEOはアナリストらが数年前に見限っていたIBMに活気を取り戻した
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