そして特急「いなほ」に利用するために改造されて、先頭にグリーン車が付けられた。その車内は、JR東日本の特急列車としては異例の2席+1席配置。シートピッチは普通車2席分に匹敵する1920mmもある。

 一般的なグリーン車の座席間隔である1160mmよりも広く、明らかに「レベルの違う」座席といっていいだろう。しかもそれが、通常のグリーン車と同じ料金で乗れるというから驚きだ。この豪華なシートに座って、景勝地・笹川流れ(新潟県村上市)の車窓を眺める旅をおすすめしたい。

 なお、このE653系1000番代には新潟地区に在籍するものの他に、再び勝田車両センターに戻ってきたものもある。転出に伴い塗装が変わったが、豪華仕様のグリーン車は健在だ。

 この勝田車両センター在籍の車両は、ネモフィラやコキアの季節に運行される常磐線の臨時特急など、関東各地の臨時列車に使われる。中には臨時の「草津」号など東京から乗車できるものもある。

 つまり、新潟・庄内(山形県)地区以外でも、JR屈指の豪華グリーン車に乗るチャンスはある。鉄道ファンならずともチェックしてみてほしい。

海岸線、根府川駅を通過する特急サフィール踊り子海岸線、根府川駅を通過する特急サフィール踊り子 Photo:PIXTA

E261系「サフィール踊り子」
全席グリーン車の豪華特急

 続いて紹介するのは「サフィール踊り子」で使われるE261系。なんと全席グリーン車以上、超豪華仕様を誇る車両だ。一番下のランクが新幹線のグリーン車と同等レベルで、首都圏の定期列車では珍しい2列+1列配置とゆったりしている。

 そしてさらなる上級席として「プレミアムグリーン車」が設けられている。座席背面にシェルが設けられ、気兼ねなくリクライニングできる新幹線のグランクラスに近い形状のシートだ。座席配置は通路を挟んで左右に1席ずつしかない。