普通車からしてシートピッチは座席間隔1100mmと、一般的な特急列車のグリーン車(1160mm)と変わらない広さで、フットレストも付いている。グリーン車は4人用個室で、まるで高級ホテルのように床全面にカーペットが敷かれ、大理石を使ったテーブルが備え付けられている。

なお、JRには乗り入れていないが、東武日光特急には後継となるN100系「スペーシアX」がある。N100系も100系同様グリーン車並みのシートピッチを誇る普通席と、4人用個室を備える。さらに、カフェを併設した空間の「コックピットラウンジ」など、進化した特急専用車両となっている。
首都圏を走る列車で、クルーズ列車顔負けの体験をしてみたい人におすすめだ。100系とN100系を乗り比べてみるのも面白いだろう。

273系「やくも」
現代仕様の快適車両
お次は、打って変わって最新鋭の特急車両だ。岡山市から出雲市(島根県)を結ぶ「やくも」で利用される273系である。この車両のデビューは2024年、車内はフリーWiFiと全席にコンセントを完備し、現代の移動ニーズに応えている。
273系のグリーン車は、1号車に半室設けられていて、シートピッチは新幹線と同等。ただし新幹線とは異なる2列+1列の余裕ある配置だ。全席にコンセントがあるので出張の際はノートパソコンの充電にも困らない。旅行中にカメラやスマホのバッテリーも充電できる。
2名または4名なら個室として利用できるセミコンパートメントも設けられている。人数さえそろえば普通車指定席料金というコスパの良さが魅力だ。JR西日本の最新鋭車両の中でも意欲作である273系。山陰に向かう際にはおすすめだ。

787系(「にちりんシーガイア」など)
かつての「つばめ」の優雅さを伝える
最後に紹介するのはJR九州の787系だ。かつて博多~西鹿児島(現:鹿児島中央)を走った特急「つばめ」で利用され、JR九州がフラッグシップとなるべく力を注いだ車両である。