これがさらに上級のブランドとなると、より顕著になる。同様に、ザ・ペニンシュラを見てみる。香港が9万3813円(45平米)に対して、東京は12万1840円(54平米)と上回った。
しかも同ホテルのデラックススイートで検索すると、香港が19万4706円(126平米)に対して、東京は40万5200円(116平米)と倍以上のお値段だ。
同様に、ザ・リッツ・カール
筆者が調べた限りだが、東京の高級ブランドホテルは、香港、上海、シンガポールのそれよりも全体的に高かった。西欧の有名都市だと全体的に東京より高いが、米国はハイアットリージェンシーのようにブランドによっては東京のほうが高くつくことが分かった。
ミシュラン調べでも
日本の5つ星ホテルは少ない
ホテル価格が高騰する背景に、日本で高級ホテルが不足していることが挙げられる。
やや古いが2017年の観光庁資料「民間による各国の5つ星ホテルの状況」によると、日本は他国に比べて高級ホテルが少ないことが一目瞭然だ。
なお、この表にはないが17年当時、5つ星ホテルがタイには110、インドネシアのバリ島には42カ所あると、観光産業に明るいデービッド・アトキンソン氏は紹介している。
18年以降、「ブルガリ東京」や「ジャヌ東京」などの5つ星ホテルが開業しているものの、今なお不足感は続いている。
しかも5つ星ホテルの多くが東京・京都・大阪にあり、地方には少ない。一例として、日本政策投資銀行北陸支店は、「北陸地方における高級ホテルは2030年までに378室が不足する」と試算している。観光立国政策で、インバウンドの都市圏から地方への誘客を掲げる中、大きな課題となっている。