バネとダンパーの関係
バネとダンパー、両者の関係をざっくり表すと、以下のようになる。
F:具体的に教えてください。いまおっしゃったのは、バネを柔らかくしたということですか?
柴:そうです。バネを柔らかくして、ダンパーの減衰力を高くした。つまり、ダンパーは硬くした。
F:バネを柔らかくして、ダンパーを硬くした。先に出たCX-60も途中からそのように変えているのですか?
柴:この部分はとても重要なので、丁寧に説明します。CX-60の初期からすれば、かなり時間が経過しています。我々はその間もずっとラージの開発を進めています。時間が経った分熟成していく「進化」の部分と、「硬過ぎないか、これ」という市場からの声に対する「反省」の部分があります。
F:改良点も自分で進化する部分と、フィードバックを生かす部分の二つがある。
柴:その通りです。そしてCX-80は60に比べると、より後席の方を“もてなす”側面が強いクルマです。だから60と同じではダメなんです。60よりも、より乗員に対して「優しさ」のある乗り心地でなければいけません。60よりさらに快適でなければいけません。
F:なるほど。80は単に大きな60ではない、と。
柴:そう。そして60の初期は、滑らかな路面をキビキビ運転する分にはものすごく良かったと今でも思っています。
F:そうですよね。私も発売直前の「ほぼ最終形」というクルマに三次試験場で乗せていただいて、「エラいクルマができたものだ」と感激しましたもの。乗っている最中も、運転後の感想も「スゲー」を連発して、後でテープ起こしの原稿を見ると「フェル:スゲー:以下繰り返し」とか書かれていて、記事化するのに苦労した記憶があります(笑)。