突き上げを感じなかった理由は?

柴:ですが大きな段差の入力が入ったりした時に結構キツめに突き上げがあった。これは事実として間違いなくあった。

F:そういう印象はあまりありませんでしたけど。

広報茂木:フェルさんが乗ったのは規定のコースでした。周回路と連絡路。そこを指示に従い走っただけ……。

F:や、そうか。段差や継ぎ目のない道路。テストコースには欧州を模した石畳や砂利道もあるけれども、そこは走っていない。

柴:結果として、初期のCX-60は段差があると入力がキツめで、その後の収まりも悪いという印象を持たれてしまった。バネをしっかり効かせて、踏ん張って走らせるという考え方が、逆に災いしてしまった……。

F:私は良い道しか乗っていないから、突き上げを感じる機会がありませんでした。でも開発陣のみなさんは、発売前に散々乗っておられるわけですよね。市場から指摘された“突き上げ感”なるものも、イヤというほど味わっているわけですよね。それなのになぜ硬いままで出したのですか? 何を狙っての事ですか? プロ中のプロであるみなさんなら、当然市場の反応も予測できたわけで。

柴:滑らかな路面で本当に自然に「人馬一体」に走れるというところを突き詰めすぎた、と言っていいと思います。