やっぱりクルマは新しいほうがよくできている

F:例えばサーキットに持ち込んで競争させたらどちらが速いのですか? 発売直後のCX-60と、今の60が戦ったら、どちらが速いのでしょう。

柴:実際に競争させたことが無いので、何とも申し上げようがありませんが……。(コーナリングでステアリングを切った際に)アタマが入るスピードとか、いわゆる“気持ちの良さ”では初期型の方が良いと思うのですが、全体の質を高めている分、サーキットで走っても現行型が初期型に負けることはないんじゃないかと思います。限界領域での安定性もありますので。新しい方はそれらも高めていますので。

F:ステアリングをこね回したりとか、自分で「何かやってる感」は初期型のほうが強いかも知れないけれど……。

柴:そういう感覚はあるかもしれません。ですが新しくして「スピード毀損」というのは非常に特殊なケースだと思います。

F:これを言ってしまうと身も蓋もないのだけれど、フィーリングの好き嫌いを抜きにすれば、やっぱりクルマって新しい方が良いんですね。同じモデルならばなおのこと。

柴:そうですね。「工業製品は常にそう」と言えると思います。

インタビューの様子Photo by A.T.