「短期化した連休」と「物価高による予算増」が、GWの「過ごし方」にも変化をもたらした。今年の特徴は「自宅で過ごす」と回答した人の割合が増加したことだろう。その他、外出する選択肢が軒並みポイントを落としていることから、「巣ごもりGW」の傾向が強まったことがわかる(図3)。

図版提供:インテージ

 GWの「過ごし方」に関する理想と現実のギャップを調査した結果(図4)からは、「巣ごもりGW」が本意ではない人が多数いることがわかる。「外出したいができない」ということは、先に言及した「混雑や密集を回避しようとする傾向」や「経済的な負担の増加」によって、外出控えが生じていると考えられる。

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 さらに、同調査で最も興味深いのは「GWの予算格差」の実態を示すデータだ。

 給料の増減見込み別でGWの予算を聞くと、給料が上がった人の予算が6万5130円なのに対して、給料の変動がない人は3万1758円、給料が下がる見込みの人は2万6417円になったという(図5)。

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 賃上げや新卒初任給の引き上げが話題になっている。だが、多くの方がご存じのように、大企業と中小企業では賃上げの状況に差がある。

 東京商工リサーチによると、2025年度に「賃上げを実施する」と答えた企業は85.2%、大企業が92.8%に対して、中小企業は84.6%にとどまりおよそ8ポイントの差があった。予定する賃上げ率は、大企業で「5%台」が最多で32.2%、中小企業では「3%台」が28.9%と最も多くなった。

 つまり、大企業に勤めているなどして給料の高く、GW予算が元々高い人ほど給料が上昇している傾向があり、中小企業に勤務するなど給与が上がりにくい人たちのGW予算は低いということが推測できる。富める者がさらに富むという経済格差の拡大が、「GWの予算格差」として露呈しているようだ。

 上昇するGWコストによって、「外出したくてもできない」という人が増える――。まさに「GW格差」ともいうべき現状があることがわかった。