コンサルティングの現場で言えば、メンバーだけでなく、クライアントに対しても同じです。
自分よりも詳しい人達から、情報を引き出し、「それって、つまりこういうことですか?」と整理してみせる。
周囲のメンバーも「そうです。まさに、それがポイントなんです」と反応し、さらに具体的な事例や補足を加えてくれる。
そうした情報をもとに全体の方向性を考え、議論を発展させていく。
こうした動きができるリーダーは、プロジェクトを前に進めるのみならず、自分自身の知識をどんどん増強して成長していきます。
急速に成長したリーダーは、いつのまにか「素人」ではなくなってしまうのです。
素人リーダーとして
成功するための「二つの鍵」
素人リーダーとして成功するための鍵は、素直さと推進力の二つだと私は思います。
知らないことを「知らない」と正直に言える素直さ。プロジェクトのゴールを定め、それを目指してブレずに前進できる推進力。
この二つの態度が同居しているとき、チームメンバーは(コンサルティングの場合はクライアントも)「この人なら、信頼しても大丈夫そうだな」と感じ、しっかりとついてきてくれます。
部下やチームメンバーは、リーダーに全ての知識を持っていてほしいなどとは思っていません。
むしろ、チームメンバー一人一人の知識や経験、スキルを生かしながら、プロジェクトを成功に導くために、道を切り拓く“先導者”、つまり“リーダー”を求めているのです。
リーダーは、チームの力を最大化する役割です。そして、プロジェクトを成功に導く役割です。
知らない領域の仕事だからと臆することなく、むしろ「素人の強み」を生かしてチームの力を引き出し、その過程で自らが急速に成長することによってプロジェクトを成功させましょう。
この経験を繰り返せば、どんなに新しいプロジェクト、どんなに難しい局面でも、なんなく乗り切れる「強いリーダー」になることができます。
「知らないことに挑むたびに、チームと一緒に自分も育っていく」
そう考えられる人こそ、変化の時代における強いリーダーなのだと思います。