40歳・50歳・60歳から人生を一新! 資格&学歴 裏ワザ大全#13Photo:PIXTA

生成AIプロダクトの活用が士業の業務にも本格導入され始め、その活用力によって「稼ぐ力」に大差が出る時代が到来している。今後、士業が生き残る鍵は、生成AIを“どう使うか”にある。特集『40歳・50歳・60歳から人生を一新! 資格&学歴 裏ワザ大全』の#13では、有名「士業」コンサルがイチ押しする、士業向け「生成AIプロダクト」のリストを作成、その活用法を解説する。(ダイヤモンド編集部 大根田康介)

生成AIの「活用力」が士業の生き残りの鍵!
実務に導入すれば業務効率を改善できる

 生成AIが急速に進化を続けている。ChatGPTをはじめとするツールは、もはやIT業界にとどまらず、「弁護士」や「行政書士」、「公認会計士」「税理士」「社会保険労務士(社労士)」など、あらゆる「士業」の世界にも確実に波及している。

 かつて士業の仕事といえば、専門知識と経験に基づく「相談」業務がその主な提供価値だった。しかし、現在、生成AIをはじめとするIT技術の発達によって、単なる相談による情報提供だけでは十分な報酬を得ることが難しくなってきている。

 では、生成AIの台頭は、士業の存在意義を奪うものなのか?その答えは「イエス」であり、同時に「ノー」だ。時代に背を向けて旧態依然のやり方を続ければ近い将来、淘汰されかねないが、逆に生成AIを積極活用すれば、自らの士業としての価値を再定義し、活躍の場を広げられるからだ。

「特定行政書士」の資格を持つ、士業専門の経営コンサルタントの横須賀輝尚・パワーコンテンツジャパン代表取締役は、「当社でもクライアントから届いた相談メールに対して、生成AIを用いたドラフト作成を行っているが、プロンプト(指示・質問)を与えるだけで、論点整理や関連法令、想定リスクまで自動で提示され、メールの回答文案まで出力される。あとは実務者が軽く補足・修正するだけで、従来の数時間の業務が大幅に短縮でき、その分、他の業務により時間をかけられたり、引き受ける案件を増やしたりすることができた」と言う。

 最近では、特定の政府サイトだけを対象にした検索AIも登場しており、ハルシネーション(誤情報)のリスクを抑えた回答が可能になっている。生成AIは既に「士業の頼れる右腕」として、実用段階に入っているのだ。

 かつては士業向けに特化したAIサービスやプロダクトの開発が注目されていた。しかし、汎用AIが短期間で精度を飛躍的に向上させたことにより、専用AIの開発そのものの意義が薄れている。重要なのは「何を作るか」ではなく「どう使いこなすか」、つまり「開発力」より「活用力」へと軸足が移っているのだ。

 その影響を最も受けているのは、相談特化型のコンサルタントや、研修講師などの“成果物を持たない士業”である。情報がインターネット上にあふれ、生成AIが相談役になり得る時代にあって、単に話を聞いてアドバイスをするだけのスタイルでは契約の継続が難しくなっている。「すでに顧問契約の相談部分だけで報酬を得ている人たちは淘汰され始めている」と横須賀氏は言う。

 その一方で、各種手続きや調査、書類作成などの成果物がある「実務」業務には依然として需要がある。士業向けAIツールを駆使して実務のタイパ・コスパを上げられる士業こそが、今後も生き残っていけるのだ。

次ページから、横須賀氏の協力の下、日本国内の士業の業務を劇的に改善する主なAI搭載プロダクトについて、資格の種類ごとに五つのカテゴリーに分類し、それぞれの生成AIプロダクトと活用法を詳しく見ていく。ライバルに差をつけたい現役士業も、これから士業を目指しスタートダッシュを図りたい人も必見だ。