日本は学歴社会である以上に実力社会

――なるほど。ただ、名門大学でなくとも無名大学などで努力をして実力をつけていく人もいますよね。その点はいかがでしょうか。

びーやま:いますよね。すばらしいことだと思います。

 加えて、そういった人材は高学歴と同じようにどこかで優遇される側にまわると思います。

 勘違いしてほしくないのは「名門大学以外に道はないわけではない」ということです。あくまで、“名門大学のほうがいい人材が多い”という傾向だけで世の中は人材を考えていますから、別にそれ以外を排除しようとしているわけではありません。

 東大卒とFラン大卒がそれぞれ100人ずついたら、優秀な人材が割合として多いのは東大卒だよねという話であって、Fラン大卒全員が勉強していないなんてことは言っていません。

 ですから、自分が数少ない優秀な人材になってしまえば、自然と世の中の評価はついてくると思います。日本は学歴社会だなんだと言われますが、それ以上に実力社会なので。

――よく理解できました。でも就職などで学歴フィルターを突破できない人は多いですよね。

びーやま:それはわかりやすい形で実績を出せていないからだと思います。

 たとえば、「頑張って勉強した」というのは口だけではどうしても伝わりませんよね。そこには誰が見てもわかるような結果が必要になるわけです。

 そういった見せ方ができていないから評価がついてこないのではないでしょうか。

 たとえば、Fラン大学だったとして、英検1級とか難関資格とかを保有している学生がいたらどう思いますか? 学歴以上に興味を持ちますよね。「もしかすると、この学生は事情があって名門大に行っていないだけなんじゃないか」と考える人もいると思います。

 努力で評価されるというのはこのように、努力で判断されるということで、「頑張ったかどうかを説明する勝負」ではないわけです。

 しかも、最近は私立の名門大学でも学力に見合わない学生が指定校推薦で入ってしまうケースも多く、学歴以上の価値も見出さなければいけないという空気もありますから、資格試験のように「推薦がないもの」は非常に意味と価値がありますよね。

――誰が見ても「努力した」とわかるようにするのが大事なんですね。

びーやま:そういうことです。あまりこういったことは言いたくないですが、「努力をどのような形で表現・演出するか」も生きていくうえで大事な力です。せっかくした努力ですから、見せ方まで意識してほしいなと。

 一度、「努力しできる人」という印象を与えることができれば、そのあとは言葉でも理解してもらえますから、まずは実績を見せることにこだわってほしいと思います。

――ありがとうございます。大変勉強になりました。

びーやま[著]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』のツッコミ担当。早稲田大学教育学部卒。高校時代の偏差値は37だったが、1年間の浪人を経て早稲田大学に入学。大学時代は起業・自主退学・復学など、さまざまな経験をしたのち、大学受験のすばらしさに気づき現在に至る。甘いルックスと鋭いツッコミ(たまにポンコツ)で視聴者の心を掴んでいる。決め台詞は学歴モンスターの相方・高田ふーみんを制止する「ヤメロオマエ」。

高田ふーみん[協力]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』にて「学歴至上主義」を貫く学歴モンスター。京都大学経済学部中退(現役合格)。学歴を絶対の価値基準とする偏った思想を持つヒール役として受験生や大学生を中心に人気を博している。決め台詞は「Fランやないか」。