原油相場は「60ドル台前半」で膠着か、米・イスラエルのイラン核施設空爆で急騰も停戦で反落Photo:PIXTA

原油相場は、5月以降、米中通商交渉やOPECプラスの増産動向、イスラエル・イラン間の軍事衝突、さらには米国によるイラン核施設への空爆など複数の地政学的・経済的要因を背景に乱高下した。中東の緊張が一時高まる中で原油は急騰したが、停戦報道で一転して急落。当面は60ドル台前半での膠着状態が続きそうだ。(三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部主任研究員 芥田知至)

一時70ドル台後半に急騰も
足元は65ドル前後でのもみ合いに

 原油相場は、5月上旬に弱含む場面があったが、その後は上昇傾向で推移し、米国がイランの核施設を空爆した翌日の6月22日には、米国産原油のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエイト)は一時1バレル当たり78.40ドルまで上昇した。しかし、その後、イスラエル・イランの停戦などを織り込んで下落し、足元は65ドル前後でもみ合っている。

 次ページでは5月以降の相場を振り返りつつ、先行きを予測する。