日本株と主要国株「高値更新の10月」支えた金融緩和と積極財政、強気相場の持続性と“死角”Photo:JIJI

10月の日本株は高市新政権発足を契機に急伸し、日経平均株価は史上最高値を更新した。世界的にも関税不安の後退と金融緩和・財政拡張の流れが追い風となり、強気相場が広がっている。AI投資の拡大、企業業績の堅調、外国人資金の再流入など、株高の構造要因を探る。(UBS SuMi TRUSTウェルス・マネジメント ジャパン・エクイティ ストラテジスト 小林千紗)

世界同時株高
相次ぐ最高値更新

 10月の日本株市場は非常に好調だった。日経平均株価は16.6%上昇、TOPIX(東証株価指数)も6.1%上昇した。S&P500の上昇率+2.2%を超え、両指数とも史上最高値を更新した。

 月間騰落率は2020年11月(新型コロナ感染が再拡大するなかワクチン開発進展のニュースが好感された)以来の高水準だった。高市新政権発足による期待値がS&P500に対する日本株のアウトパフォームにつながった。

 とはいえ、好調な市場は日本だけではない。米国の主要指数も過去最高値を更新した。例えば、アジアでは韓国と台湾、欧州では英国に加えてイタリア、スペイン、南米ではアルゼンチン、ブラジルなどが高値を更新した。その結果、世界株指数も高値を更新した(図表1参照)。

 次ページでは、株価の好調さの背景を検証し、今後の株価の行方を予測する。