「男子厨房に入らず…」と言われたのは、もう随分と昔の話。今では、「料理は男性の趣味」として捉えられるのが当たり前の時代になりました。
ところが、お弁当づくりとなると、話は別。男性が職場に自分でつくったお弁当を持参するだけで、「頼りない」「それじゃ出世できない」と批判されることが実は少なくないようです。料理は男性の立派な趣味となりつつあるのにもかかわらず、なぜ弁当男子は批判されてしまうのでしょうか?今回は、その背景と誤解される原因について、考えてみたいと思います。
毎日、6時起きで作ったお弁当で
同僚の弁当男子たちとランチ
「ランチタイムまであと30分か…。今日のお弁当、早くみんなに見せたいな」
こんな風に12時になるのを待ち遠しくしている人がいます。通信関係の会社の経理部に所属しているDさん(32歳)です。その理由は、新しいお弁当箱に詰めたおかずを早く食べたくて仕方ないから。そう、Dさんは毎日のように早起きをして、自分のためにお弁当の準備をする「弁当男子」なのです。
毎日帰宅前に翌日のお弁当のメニューを考えて、スーパーで材料を調達。下準備をして就寝。朝は6時に起きて調理し、お弁当箱に詰めて、家を出ます。そんなお弁当をつくる毎日が当たり前になっています。
「毎日、お弁当をつくるなんて大変だね」
と同僚から言われたりしますが、むしろ準備から食べるまでのプロセスを楽しんでいる様子。ランチタイムは社内の行事でも無い限り、外食することはありません(夕食も自分でつくることが大半)。
ちなみに最近は、弁当男子のために企画された弁当箱が飛ぶように売れているようです。例えば、コンパクトなのに大容量であったかくておいしい魔法瓶弁当箱、木の香りが食欲を高める曲げわっぱ小判弁当箱など、人気商品は売り切れ続出とのこと。Dさんは、会津漆器のくり抜きの弁当箱をネット通販で購入しました。
「余分な水分を木が呼吸してくれるので、ご飯がホクホク」
と自宅で試作したお弁当でおいしさを体感済み。昼になったら、同じようにお弁当を自分でつくってくる男性の同僚と食事をするのですが、そこで「すごいお弁当箱だね」と褒められることもランチタイムを待ち遠しくしてくれているのでしょう。