あなたは、朝どのように1日を始めていますか? 目覚めたばかりの頭でスマホを開き、SNSやニュースに気を取られてしまっていないでしょうか?
話題の書籍奇跡が起きる 毎朝1分日記の著者・三宅裕之氏は、「1日の始まりに“掃除”という行動を取り入れるだけで、脳の働きが驚くほど変わる」と、言います。本記事では、成功者が密かに実践している“朝の掃除”習慣の心理的・脳科学的な効果を解説します。 

【たった2ヶ所の掃除で脳が変わる】頭のいい人がこっそり掃除している場所とは?Photo: Adobe Stock

成功者は“2ヶ所”しか掃除しない――脳に効く最小努力のコツ

掃除といっても、家中をきれいにする必要はありません。私が提案しているのは、「玄関」と「トイレ」の2ヶ所だけです。理由はシンプル。玄関は「運を迎え入れる場所」で、トイレは「不要なものを手放す場所」だからです。

この2ヶ所は無意識にも深く関わっている空間であり、ここを整えると“脳の無意識領域”に直接アプローチできるのです。玄関は自分が帰ってきた時の自宅の第一印象であり、無意識に作用しやすい。トイレもリラックスしている個人の空間なので、こちらも無意識に働きかける空間。この2つの空間が整っていると心も整いやすい。

“脳が勝手にポジティブになる”朝の仕掛けとは?

人の脳は、小さな行動や環境の変化で簡単に気分や運を『良い方向にだませる』性質があります。たとえば、玄関やトイレをピカピカに掃除すると、「今日はなんだか調子がいい」「運がよさそうだ」といった感覚が自然と湧いてくるでしょう。

これは、脳がその行動を「ポジティブな兆し」として受け取り、“今日はいい日だ”と信じ込むからです。心理学でいう「プライミング効果」が働いている状態です。

プライミング効果とは、無意識のうちに受けた刺激によって、その後の思考や行動が誘導される現象のこと。つまり、掃除という小さな行動が、ポジティブな自己暗示をかける装置になるのです。

“気分が乗らない日”こそ、まず動け。脳の性質を逆手に取れ

大切なのは、“いい気分”をつくりたいなら、まず先に小さな行動を起こすこと。「気分が乗らないから掃除できない」のではなく、「掃除をしたから気分が乗る」のが本当の順番です。これは脳の仕組みでも明らかになっていて、私たちの感情は、行動に引っ張られて後から変わっていきます。

だからこそ、もし「何もやる気が出ない」という日こそ、たった1分でも玄関やトイレをサッと整えてみてください。ほんの少しでも体を動かすと、脳は「もう動いているんだ」と錯覚して、モチベーションのスイッチが入りやすくなります。つまり、やる気があってから動くのではなく、「先に動くことでやる気が生まれる」わけです。

特に1日の始まりに小さな掃除を習慣にすると、「今日はきっといいことが起こりそう」というポジティブなセルフイメージが無意識に刷り込まれていきます。これは自分で自分を励ます自己暗示になり、自然といい行動を増やしていくきっかけになります。

1分の掃除が、あなたの脳を整える

毎朝、出かける前にトイレの床を拭いたり、玄関のたたきをほうきで掃いたりしてみてください。たったそれだけで、脳は「私は大切に扱われる存在だ」「今日もいい1日になる」勘違いしてくれるのです。

感情は、状況ではなく“解釈”によって生まれます。そして、その解釈を変える最も手軽な方法が、「朝の掃除」という行動なのです。あなたもぜひ、明日の朝から試してみてください。