同社は2016年12月に日本航空がサービス開始した「どこかにマイル」の開発に携わっており、これをベースにしたものだ。「予約枠を確保しすぎると正規料金の枠が圧迫され、JR東日本には機会損失が生じてしまう。逆に予約枠が少なければ、4択候補地のバリエーションが乏しくなってしまう。この絶妙なバランスをとる予測システム」がキモだという。

 つまり、提示される候補駅は、申し込み時点で座席に余裕が見込まれる区間であり、申し込み後の発売状況を見ながら最終的に決定する仕組みということだ。4駅の中には青森や秋田など600キロ超えの駅もあれば、那須塩原や越後湯沢など150~200キロの比較的近い駅が提示されることもある。

 目的地がどこでも消費ポイントは同一なので、遠くに行けるほど割引率は高くなるが、実際には近・中距離の駅になることが多い。これは遠距離の駅が「見せ玉」だからではなく、列車本数が多い近・中距離区間は座席数が多いから。閑散期であれば遠距離の駅になることもあるようだ。

「当たり」の駅を願うのではなく
楽しめそうな4駅を選ぶのがコツ

 今回、筆者は6月30日夜に「盛岡・二戸・上田・長岡」の4駅で申し込んだところ、翌7月1日14時過ぎに上田駅で決定したとメールが来た。「どこかにビューーン!」を使いこなすコツは、「当たり」を願うのではなく、どの候補駅になっても楽しめると判断してから申し込むことだ。

 この組み合わせで申し込んだのは、盛岡は冷麺やじゃじゃ麺などグルメが楽しめそうだったこと。上田はかねて地方私鉄・上田電鉄と上田城を訪れたいと考えていたこと。長岡は新潟における「鉄道のまち」であり、新津鉄道資料館に興味があったからだ。

 二戸は正直なところ全くイメージが湧かなかったが、それはそれで面白いのではないかと割り切った。4駅全てに明確な目的を見出すのはなかなか難しいので、最後は運を天に任せるのも楽しむコツかもしれない。

 7月10日、11日の旅行から土日を挟んで再び旅に出たのは、前回記事でも取り上げた「JRE BANK」の特典が関係する。預金残高50万円以上、「JRE POINT」との連携、ビューカード代金の引き落とし口座設定で、普通列車グリーン車のモバイルSuicaグリーン券が3ヵ月ごとに1枚、JR東日本管内の片道運賃・料金の4割引優待券、そして「どこかにビューーン!」の「2000ポイント割引クーポン」が半年ごとに1枚もらえる(条件によって枚数は増える)。

 前回記事で4割引優待券の期限が迫っていたと書いたが、同様に2000ポイント割引クーポンも8月までだった。7月下旬以降は夏休み、お盆シーズンで混雑するため、候補が限られてくる上、申し込みができない日も出てくる。そこで7月中旬のうちに行かねばと決意したのだ(そもそも無計画とのお叱りは甘受しよう)。

 では、上田の旅をどのように楽しんだのか、少しだけ紹介しよう。行きは「10~12時台」で申し込んだところ、大宮駅午前10時9分発の「あさま607号」が割り当てられ、午前11時21分に上田駅に到着した。