「やまびこ51号」グランクラス(10号車)「やまびこ51号」グランクラス(10号車)(筆者撮影)

モバイルSuicaのチャージや新幹線きっぷの購入でポイントが貯まる「JRE CARD」。還元率の高さだけでなく、貯まったポイントでグリーン車やグランクラスに乗れる意外な使い道もある。筆者が体験した“おトクすぎる”東北新幹線の旅と、実際に乗ってわかったグランクラスの“本当の価値”とは。(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)

「JRE CARD」を
長年使い続けるワケ

 筆者が普段、使用する何枚かのクレジットカードのひとつが、JR東日本の発行する「JRE CARD」だ。モバイルSuica定期券の購入や、えきねっとでの新幹線きっぷ購入で5%、ルミネやアトレなどグループ商業施設で3.5%の「JRE POINT」が貯まるという還元率が注目されるカードだが、これらに縁遠い筆者も愛用するのは、モバイルSuicaのチャージでも1.5%のポイントが貯まるからだ。

 電子マネーが急速に普及し、チェーン店であれば全国どこでも交通系ICカードに対応した店舗がある。これらをモバイルSuicaでチャージして支払うことで、概ね毎月1000ポイント程度が貯まっていくのである。

 こうして2019年にカードを作った筆者の手元には、7万5000以上のポイントが積みあがるに至った。なお、「JRE POINT」の有効期限は「最後にポイントを獲得・利用した日から2年後の月末まで」なのでため続ければ消えることはない。

「JRE POINT」の使い道はさまざま用意されている。一番手っ取り早いのはポイントをそのままチャージに充てること。あるいは、商業施設やネット通販「JRE MALLショッピング」の支払いに充てることもできるが、1ポイントあたり1円に交換するだけではつまらない。

 東海道線や中央線など普通列車グリーン車のグリーン券(750円)を、600ポイント(会員ステージ3は500ポイント、ステージ4は400ポイント)で交換できる特典もあるが、目玉はやはり「お手本」とする航空業界のマイレージサービスと同じく、ポイントと乗車券の交換だ。

 例えば上越新幹線東京~越後湯沢間は、「新幹線eチケット」6590円(通常期)のところ、普通車指定席4620ポイントで交換できる。東北新幹線東京~新青森間は同1万7470円が1万2110ポイントだ。この他、在来線特急列車の普通またはグリーン特急券に交換もできる。

 いずれ使ってみたいと思っていたところ、魅力的なキャンペーンが始まった。これまでポイント特典乗車券は普通車指定席のみだったところ、7月5日利用分からグリーン車、グランクラスが対象に加わった。そして31日まで、グリーン車とグランクラス(座席のみサービス)の必要ポイントが半分になるというのだ。

 前掲の東京~新青森間で比較すると、グリーン車の通常レートが1万6980ポイントのところ8490ポイント、グランクラスが2万130ポイントのところ1万60ポイント、つまり、今月中は上級座席を普通車指定席より少ないポイントで利用できるのである。これを逃さない手はない。こうして筆者は急遽、7月10日から11日にかけて東北旅行の計画を立てることにした。