40歳・50歳・60歳から人生を一新! 資格&学歴 裏ワザ大全#23Photo:PIXTA

就業に恵まれなかった中高年を救済するべく、国家公務員の「就職氷河期世代採用試験」が2026年度から復活する。実は、氷河期採用試験以外にも、中高年が挑戦できる公務員採用試験は数多い。特集『40歳・50歳・60歳から人生を一新! 資格&学歴 裏ワザ大全』の#23では、国家・地方公務員の「経験者採用試験リスト」を一挙公開する。(ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)

氷河期採用試験が復活も
通常の経験者採用試験を考えよう

 本特集#22(『公務員採用試験の筆記「偏差値」と「合格最低点」を大公開!キャリア組、ノンキャリ、専門職…得点率30%で合格できる試験も』)では、おおむね30歳まで受験できる公務員採用試験を見たが、40~50代の中高年からでも公務員への“転職”はできるのか?

 その試験区分の一つが、バブル崩壊後の就職難の時期と就職活動の時期が重なった「就職氷河期世代」を対象とした国家公務員の「中途採用者選考試験(就職氷河期世代)」だ。この就職氷河期世代採用試験は2020~24年度の5年間行われ、25年度は実施が見送られていたが、政府は6月、26年度からの実施再開を決めた。

 同試験の受験資格は、24年度試験の場合で1966年4月2日~86年4月1日に生まれた者とされ、40~50代がメインターゲット。とはいえ、中高年から公務員を目指す場合、氷河期採用試験を第一の選択肢にするのは悪手だ。

 オンライン公務員予備校「公務員のライト」を運営するキャリアードの三木拓也代表取締役は、「間口の狭い氷河期採用試験を受けるよりも、特に地方公務員で広く実施され、採用人数が多く、かつ合格倍率も低い、通常の『経験者採用試験』を受ける方が効率良い。また、その場合も筆記試験が、誰でも対策できる上に合格ボーダーラインも分からない『SPI試験』ではなく、『教養試験』で受験できるところを受ける方が対策を立てやすくお勧めだ」と話す。

 下図は、国家公務員一般職の氷河期採用試験と、東京都特別区の職務経験4年以上で受験でき、役職のない「係員」を採用する「特別区1級職採用試験(経験者採用)」の合格倍率の推移だ。

 氷河期採用試験の合格倍率は、試験開始直後より下がったとはいえ、依然として高倍率が続いているが、特別区の経験者採用は5年連続で右肩下がりとなっており、19年度の9.3倍から24年度は3.0倍まで急落している。

 では、どんな人が公務員への転職に成功しているのか。下表は「公務員のライト」受講者のうち、経験者採用試験の合格者の属性と転職理由の一例である。

 前職も志望動機もさまざまだが、公務員試験における経験者採用試験は、面接による人物重視で、前職の経験をいかにアピールするかが成否を分ける。

 次ページでは、国家公務員と全国の地方公務員の主な経験者採用試験リストを一挙公開する。試験区分(職種)や受験可能年齢、募集人数が一気に分かるので、中高年から公務員への転職を目指す人はぜひ活用してほしい。