決算ランキングの第3回は、売上高成長率(増収率)だ。売上高成長率は企業の成長性を見る代表的な指標である。売り上げ伸びているということは、その会社の商品やサービスが、顧客から支持されていることを示す。また、企業が成長すれば、一般的に社員の士気も上がる。

 もちろん、株式会社は利益をあげることが目的だから、利益成長の伴わない売上成長はあまり意味がない。そこで過去3期間連続で売り上げおよび経常利益が伸びている会社(連続増収増益会社)を抽出し、過去3期間の平均成長率の高い順にランキングした(詳細は表参照)。さらに、参考として今期の売上、経常利益の増減率予想もつけてある(会社非公表の場合は“―”とした)。

 過去3期間といえば、リーマンショックの後遺症も残り、東日本大震災もあって、日本経済全体は低迷した時期。それでも対象3355社のうち、全体の約1割にあたる356社が、3期連続の増収増益を達成している。業績の不調を景気動向や為替のせいばかりにはできないことを示している。

グリー、ディー・エヌ・エーは曲がり角

 売上高成長率の上位には、誰もがよく知っている顔ぶれが並ぶ。特徴はインターネットを活用した企業が多いこと、BtoC型の企業が多いこと、新しいサービスを開発した企業が散見されることだろう。一方、残念ながら、ランキング上位に製造業はほとんど入っていない。

 1位のグリー、2位のディー・エヌ・エーはご存じのように、携帯向け交流ゲームで急成長した。だが、グリーはゲームの主戦場が得意のガラケー向けからスマホに移動、「コンプガチャ」に代表されるアイテム課金も、社会的な指弾を浴びて方針を変更をせざるをえなかったことから、今期は減収かつ大幅な減益を見込んでいる。この構造は業績予想を公表していないディー・エヌ・エーも同じだと言える。やはり、ゲームというエンターテイメント分野は浮沈が激しい。

「パズドラ」で大注目のガンホー・オンラインは2011年11月期に経常減益となったため、今回ランクインはできなかった。

 5位のクックパッドは、料理レシピの専門サイト。広告と有料個人会員がともに伸びており、成長を支えている。少し順位は下がるが47位のカカクコムは価格比較サイトの「価格.com」と飲食店評価サイトの「食べログ」を運営している。クックパッドやカカクコムは、グリーやディー・エヌ・エーと比べて売上高成長率は低いものの、日々の生活に密着した情報が核だけに、エンタメ系に比べて安定していると言えるだろう。