
実は日本の上場企業には「年収1億円以上」のビジネスパーソンが1199人もいる。果たして、どんな顔触れなのだろうか?報酬が、諸外国に比べて低過ぎるという指摘もあるだけに、年収が高いこと自体は批判されるべきではないだろう。ただ、業績や株式市場からの評価が振るわないにもかかわらず、1億円ももらっているのであれば、従業員や株主は心穏やかではいられないかもしれない。そこで、ダイヤモンド編集部では上場企業3890社を対象に、年収1億円以上の経営陣を調査、業界ごとに実名でのランキングを作成した。特集『「最新版」1億円以上稼ぐ取締役1199人の実名! 上場3890社「年収1億円以上幹部」ランキング』(全24回)の#12では、精密機器業界の報酬ランキングをお届けする。(ダイヤモンド編集部 今枝翔太郎)
精密機器業界は年収1億円以上が35人!
セイコー、ニコン、オリンパスなど有名企業がランクイン
モノづくりで高い技術力を誇る日本勢が特に得意とするのが、医療機器や時計、分析機器といった精密機器だ。どの分野でも、グローバルでトップクラスのシェアやブランド力を有する日系メーカーは少なくない。
世界の強豪メーカーと互角以上に渡り合えているのであれば、経営陣がそれ相応の報酬を受け取っていても株主から不満の声は上がらないだろう。
では、精密機器業界で「年収1億円以上」の経営幹部はどんな顔触れなのだろうか?
ダイヤモンド編集部では、経営トップの会長、社長のみならず役員を対象に、年収1億円以上の高額な報酬を受け取っている人物を業界別に集計した。1社から複数人が記載される場合もある。
本特集では、高収入を単純に批判する狙いはない。次ページのランキングには、年収額と併せてPBR(株価純資産倍率)、ROE(自己資本利益率)、時価総額も掲載しているので、それらに「見合う年収」を得ているかの参考にしてほしい。
精密機器業界で年収1億円以上の経営幹部のランキングを作成したところ、「ある医療機器メーカー」が上位をほぼ独占している事態が明らかになった。トップの役員はなんと6.2億円もの報酬を得ているのだ。
国内医療機器業界は、特集『医療機器 21兆円への挑戦』の#1『日立・東芝・パナは撤退、ソニーはオリンパスとタッグを組むも多難…医療機器業界「最新勢力図」を大公開!見えた日本勢の勝ち筋とは?』で述べたように、大手電機メーカーが相次いで撤退する一方で、躍進を遂げている企業もある。医療機器メーカーの中で、突出して役員報酬が高いのはどこだろうか。
次ページでは、精密機器業界で年収1億円以上の役員を実名と共に一挙に見ていこう。セイコーグループやニコン、テルモ、オリンパス、島津製作所といった大手メーカーの役員報酬はどれくらいだろうか。