パリはシェアサービス廃止
規制緩和に動いている国も
ただ、レンタルキックボードへの構えは欧州内でもグラデーションがある。パリは住民投票でレンタルキックボードのシェアサービスが廃止になった。マドリードでもレンタル禁止の方向で調整が進んでいる。厳しいルールはあるけど違反しまくる利用者に悩まされているのはイギリスである。
その他の国・都市でも規制強化が進んでいる一方、オランダやアイルランドでは交通の利便性向上を願って規制緩和が行われている。
冒頭に紹介した研究は、レンタル電動キックボードを取り扱っていく上で新たな指針の可能性を提示したといえる。しかしパリのように、住民投票で廃止したようなところでは「じゃあレンタル電動キックボードを復活させましょう」とはそう簡単にはなるまい。
パリでのレンタル電動キックボードは導入から5年、35歳以下の若者の利用が多かったが、無法な乗られ方をするという評判で、市長の呼びかけによって投票が行われた。投票率は7.5%と低かったが、そのうち約90%が「電動キックボード禁止」に賛成したそうである。
日本ではレンタル電動キックボードの事業者がいくつかある。最大手はLUUPで、楽しいし便利な乗り物なので、過去にダイヤモンド・オンラインでもで褒める記事を書いたことがあるが、都心に住み始めるとdocomoのシェアサイクリングの方が圧倒的に安いことを知ってすっかりLUUPにお金を落としたくなくなって遠ざかり、今日に至る。
都内でのLUUP利用客のマナーは、さすがキレイでマナーが良く治安のいい国日本というだけあって諸外国に比べたらだいぶよさそうである。
しかしその日本でもLUUPに対する住民感情は悪い。ネットでLUUPの名が出ると必ず罵り言葉が飛び出すし、利用している際にどれだけ品行方正に走っていても車から謎の幅寄せなどの嫌がらせをされたり、特定の歩道で走行が可能な6km/hモードで進んでいると、それを知らなかったおじさんからものすごい剣幕で文句を言われたりする。