米国時間の6月6日、Apple(米アップル社)が開催するWWDCで発表された「iCloud」。これは、iPhone、iPad、iPod touchなどの次期OS「iOS5」に搭載される新機能だ。
簡単に解説すると、iOS搭載のモバイル端末内のデータを、自動的にインターネット上の専用スペースへアップロードしてくれるもの。そして、複数モバイル端末でそのデータを共有することが可能となる。
現状では、iPhone、iPad、iPod touchを使う場合、データの同期やバックアップはパソコンにインストールしたiTunesというソフトを使用する必要がある。しかし、iCloudのサービスが始まると、このiTunesを使わなくても、自動的にデータの同期・バックアップを行なえるようになるのだ。
もちろん、MacintoshやWindowsが搭載されたパソコンからも、iCloudは利用可能。同期されるデータは、音楽、アプリ、写真などだけでなく、メール、連絡先、カレンダーなども含まれる。
つまり、ユーザーは何もしなくても、あらゆるデータをどの端末からも使えるようになるということなのだ。
iCloudによって提供されるオンラインストレージは5GB。一見少ないように見えるが、音楽と写真に関してはこの5GBには含まれず、別の保存領域が与えられる。作成したファイル、アプリ、連絡先、カレンダー、メールなどのデータが対象となるため、5GBでも十分と言えるだろう。
これらの機能は、すべて無料。iOS5は秋に登場予定だが、現在はiOS4.3.3でiTunes Storeから購入したアプリの履歴を参照でき、再ダウンロードができるようになっている。
iOS5はいくつか新しい機能を搭載しているが、このiCloudが最大の目玉であることは間違いない。もう、パソコンとデータを同期するなんて野暮なことはしなくていい。Appleはそういう世界を創り上げようとしているのだ。
(三浦一紀/5時から作家塾(R))