「早期化」「長期化」に加えて
「曖昧化」まで始まった就活戦線
売り手市場のまだら模様は、データ面に限らない。就活の全体的なトレンドとして指摘されてきた「早期化」「長期化」に加え、これまでのルールや常識が崩れているという意味で「曖昧化」が目立つ。
例えば、就活のプロセスで重要性を増す「インターンシップ類」の中身は千差万別。半日や1日の会社説明会的なものから、5日や2週間かけて業務体験をするものまであり、複雑化している。自身の志望企業ではどうなっているのか、就活生は内容や参加目的をよく確認すべきだ。
あるいは、政府が企業に要請している就活日程。以前から外資系、マスコミ、中小などはこれとは関係なく独自のスケジュールで採用活動を行っているが、最近は国内大手企業も“なし崩し”的になっている(図表3参照)。
就活生は過去の事例を参考にするだけでなく、情報収集を積極的に行ってスケジュールを考えるべきだ。「みんな一緒に横並びで」は取り残されるリスクがある。
もちろん、コロナ禍前に比べれば内定は取りやすくなった。3年生のうちから複数の内定を持つ学生も少なくない。しかし、そこにはつまずきの石や落とし穴がある。
代表例が、複数の内定を得ながら入社する1社を決められず迷ってしまうことだ。自己分析や企業研究が不十分で、仕事やキャリアについての判断軸ができていないからだ。








