「プロアクティブ人材」には4つの行動特性がある
「プロアクティブ人材」の行動特性を定量化するために、下野さんたち(日本総合研究所 リサーチ・コンサルティング部門)は、アカデミアの協力のもと、海外の関連論文を渉猟し、日本の企業関係者へのヒヤリングなどを続けて、「革新行動」「外部ネットワーク探索行動」「組織内ネットワーク構築行動」「キャリア開発行動」という、「プロアクティブ人材」の4つの行動を抽出した。
下野 「革新行動」は自らの手で目の前の仕事を前向きに変えていく行動で、「プロアクティブ行動」において中核的な位置を占めます。「外部ネットワーク探索行動」は、「革新行動」を促進するために、社外の知見を積極的に探索し、それを社内へと還元する行動です。そして、「組織内ネットワーク構築行動」は、組織に変化をもたらすため、組織内のさまざまな関係者を巻き込んでいく行動で、「キャリア開発行動」は、自らのキャリアを自分自身で描き、自らの手で切り拓いていこうとする行動です。
この4つの行動をバランスよく備えた人材が「プロアクティブ人材」ということになります。
そうした「プロアクティブ人材」の行動特性について、下野さんたち(日本総合研究所 リサーチ・コンサルティング部門)は調査研究を重ね、多くのことが見えてきた。
下野 アカデミアの専門家と共に、12問5段階の質問シートによって、「プロアクティブ行動」の度合い(プロアクティブスコア)を測る手法をまとめ、2022年と2024年の2回にわたって全国規模で調査(*)を行(おこな)いました。
*日本総研ニュースリリース「20,400人のデータを基にプロアクティブ行動から組織パフォーマンスにつながる因果モデルを解明」参照
結果、2万人以上のサンプルが集まり、(ワーク)エンゲージメントと「プロアクティブ行動」が相補的な関係にあり、相互に高め合うこと、そして、エンゲージメントと「プロアクティブ行動」の両方が揃って初めて、企業(組織)の業績向上という成果につながることがわかってきました。
そして、同時に、「プロアクティブ行動」を喚起する因子の存在もつかめてきたのです。たとえば、「自分はこの仕事ができる」という「自己効力感」。また、職務に自律性があることや自分の仕事をやり遂げる機会があるといった「職務特性」も因子のひとつです。さらに、適切な責任と権限の付与や公平な処遇評価制度の実現といった「職場環境」も「プロアクティブ行動」に関与します。
我々の調査によって「プロアクティブスコア」の全国平均が数値化されていますので、自社の社員のスコアを他社のスコアと比較することが可能になっています。








