面接官がイライラする
「苦痛な文章」とは

藤井 もう一つ、必ず押さえてほしいのが、まず結論を先に述べる「結論ファースト」です。採用担当者は、短期間で毎日何十枚、何百枚ものESに目を通さなければならないことが多い。

 なかなか結論に到達しない文章を読まされるのは苦痛で印象が悪いはずです。前置きが長い文章だと「結局何が言いたいの?」となります。選考が進んで面接官が参照する際も、パッと見て理解できる内容ならスムーズに会話に入っていけます。

――「浅いな」と思われない、かつ読みやすい文章が前提ということですね。

藤井 そうですね。ただし、それだけでは採用担当者の目を引くESにはなりません。僕も自分の就活の際に意識していたことですが「自分の考えをふんだんに盛り込む」ことが重要なポイントです。特に自己PRでは、多くの学生が過去の実績などの「事実」だけで文章を作ろうとします。

 しかしそれを「自分の考え」中心に変えると、驚くほど印象が変わるのです。例えば、自分の長所について書く場合、事実だけを述べた文章例は次の通りです。「私の長所は、どんな時も冷静でいられる性格です。この性格によって、サークルでは好成績を収めることができました」

 一方、自分の考えを中心に書いた例は、次のようになります。「私の長所は、どんな時も冷静でいられる性格です。この性格が生まれた理由を考えると、どのような課題に直面したときも、まずは『原因は何か?』と、原因から考える習慣を持っていたからです。ただ悩むのではなく、原因を考えて課題を明確化する思考によって、私の冷静な性格が生まれたと考えております」

―― 後者の方が、いかに冷静さを持っている人かが伝わります。

藤井 もちろん、実績やエピソードを入れることも重要ですし、読み手がその人のことを知る手掛かりになります。ただし、採用担当者が選考を通して一番知りたいのは「あなたがどんな人なのか」なのです。

 どんな考え方や視点を持っていて、これからどんなふうに働いてくれそうか。自分の内面を知ってもらえるようなESを目指しましょう。

―― 必ず聞かれる「志望動機」で気を付けることは何でしょうか。