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不適切会計問題に揺れるニデックグループには、同社の憲法ともいうべき厳格なルールがある。ダイヤモンド編集部は、それを文書化した「3Q6S」と呼ばれる社外秘のマニュアルを入手した。ニデック創業者の永守重信氏は、「会釈時は体を15度位曲げる」といった厳しい行動規範を3Q6Sに盛り込み、その実践を社員に求めることで驚異的な急成長を実現してきた。一方で、行き過ぎた社内ルールは永守氏への過度な忖度につながり、不可解な慣習を生み出している実態も浮かんできた。特集『永守ニデック 最終審判』の#9では、この内部資料を基に、ニデックの特異な企業風土を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)
創業当時から独自の社内マニュアルを徹底
社外秘資料に書かれている内容とは?
ニデックグループには、「憲法」ともいうべき社外秘のマニュアルがある。同社の経営の基本となる「3Q6S」だ。
良い社員(Quality Worker)、良い会社(Quality Company)、良い製品(Quality Product)の頭文字Qと、整理、整頓、清掃、清潔、作法、躾(しつけ)の頭文字Sを取ったものだ。
ニデック創業者の永守重信氏は、1973年の創業以来、グループの全社員に3Q6Sの徹底を求め、利益創出の源泉として重きを置いてきた。
しかし、3Q6Sの詳細はベールに包まれてきた。ニデックの公式ホームページには、「3Q6Sは当社の経営ノウハウであり、詳細については一切社外秘」と明記されている。
ダイヤモンド編集部は、この「3Q6Sマニュアル」を独自入手した。ページをめくると、永守氏の名前で、「私の求めている6S、そして3Qというのは、あくまで、より良い経営結果(利益)に結び付く本質的なものであらねばならない」と記されている。
同マニュアルでは、製造業に携わる社員が守るべき事項として、「『今作業中だから』などの言い訳厳禁」「着席時の会釈は、上体を15度位曲げ、70cm位先を見るようにして、上体を傾ける」といった趣旨の厳格なルールが定められている。
さらに取材を進めると、3Q6Sだけでなく、複数の社内マニュアルも入手することができた。そこでは、3Q6Sという「最高法規」に忠実であろうとするあまり、行き過ぎた行動規範や、不可解な社内ルールができていたことが明らかになった。
これら、ニデックの社員をがんじがらめに縛り付けている社内ルールは、どんな内容なのか。
次ページでは、独自入手した3Q6Sマニュアルや複数の内部資料を公開し、それらが醸成してきた特異な企業風土の実態を明らかにする。








