2025年4月に日産自動車の社長を退任した内田誠氏と、同年12月に、ニデックの代表取締役、取締役会議長、グローバルグループ代表の全ての役職を退き、非常勤の名誉会長に就任した永守重信氏。両社とも子会社を含めて、公正取引委員会から下請法違反で勧告を受けていた Photo:Ian Forsyth、Bloomberg/gettyimages
ダイヤモンド編集部は、自動車業界アンケートで、サプライヤー関係者に「下請けいじめ」の実態を聞いた。具体的には、原材料価格や人件費が高騰している中でも、いまだに値下げを求めている完成車メーカーや、優越的地位の乱用に当たる疑いがあるとサプライヤーが感じた元請け企業の行為を聞き、自動車メーカー別に結果をまとめた。長期連載『自動車 “最強産業”の死闘』内の特集『自動車業界350人アンケートで示す“危機の本質”』の本稿では、自動車部品メーカーへの不当な圧力の内実を明らかにする。(ダイヤモンド編集部副編集長 千本木啓文)
ニデックの不適切会計問題で重大疑惑!
下請けへの「赤伝票」「協力金」要請の実態
ダイヤモンド編集部は2024年、自動車メーカーによる「下請けいじめ」の実態を明らかにするため、サプライヤー関係者にアンケートを実施した。
日産自動車が24年3月、サプライヤーに課していた割戻金(リベート)が下請法(25年1月から改正下請代金支払遅延等防止法〈下請法〉が施行され、名称が中小受託取引適正化法〈取適法〉に変更)違反に当たるとして公正取引委員会(公取委)から勧告を受けるなど、「下請けいじめ」が社会問題化していた。そういった状況もあり、アンケートに答えた自動車部品メーカー関係者からは「優越的地位の乱用だと感じた」との報告が、日産だけで「61件」も寄せられた(詳細は特集『自動車・サプライヤー SOS』の#2『日産「下請けいじめ」の実態解明!リベート要求続く、販売不振の損失押し付けも【自動車サプライヤー幹部250人調査】』参照)。
25年以降、政府は下請けいじめの是正にさらに力を入れており、公取委からの勧告が続いている。
同年2月に日産子会社の愛知機械工業が、11月には三菱ふそうトラック・バスが、サプライヤーに金型を無償で保管させたことが下請法違反(不当な経済上の利益の提供要請)に当たるとして勧告を受けた。12月には、スズキ子会社のスニックが、量産終了後に修理に使う「補給部品」の調達価格を、少量生産のため量産時よりも生産コストが高くなるにもかかわらず、据え置いたのは下請法違反(買いたたき)だとして、勧告を受けている。
このように勧告が相次いだことで、果たして、下請けいじめの問題は改善されているのか。次ページでは、その実態にサプライヤー関係者からのアンケ―トの回答や取材を基に迫る。
アンケートで元請けメーカーからの「優越的地位の乱用」が疑われる行為を報告してもらったところ、ニデックグループからの被害の報告件数が急増していた。ニデックがサプライヤーにどのような圧力をかけたのかも明らかにする。








