日経平均6万円突破か減速か 攻めと守りの投資術#8Photo:BlackJack3D/gettyimages

キオクシアホールディングス、アドバンテストなど絶好調銘柄がそろい、日本株の上昇をけん引してきた半導体セクター。AIバブルを指摘する声も少なくないが、果たして2026年度も主役でいられるのか。特集『日経平均6万円突破か減速か 攻めと守りの投資術』の#8では、激変する半導体セクターの現状やグローバル競争を勝ち抜く条件を解説。「主役交代説」を含めて、26年度相場で業績と株価が伸びる半導体企業についても具体名を挙げて紹介する。(ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)

26年前半の主役株となった
キオクシアの勢いは続くのか?

「半導体株は相場の中心であり続ける」(岩井コスモ証券の斎藤和嘉シニアアナリスト)――。

 この数年、株価が10倍、20倍になるような株式市場のスター株は半導体セクターから誕生することが多い。実際、10年前と比較するとレーザーテックの株価は120倍、アドバンテストの株価は80倍に上昇している。

 2025年から26年にかけて日本株の主役はキオクシアホールディングスだった。24年12月18日に上場後、わずか1年4カ月で株価は20倍超まで上昇したのだ。機関投資家、個人投資家問わず注目度は高く、時価総額は伊藤忠商事や三菱重工業を上回り、全上場企業の中で13位まで上昇している(4月10日時点)。

 果たして半導体関連株の勢いは続くのか。

 注目度が高いAI半導体については「強気」と「弱気」の見方が錯綜している。一部でバブル警戒感も台頭しつつあり、投資をちゅうちょする個人投資家も少なくない。

 だが、斎藤氏は冒頭のように26年度相場も「半導体セクターが日本株をけん引する」と強気姿勢を崩さない。イラン情勢を含めた外部環境の変化があっても、中長期の半導体市場の成長は不変とみているからだ。

 岡三証券の島本隆司シニアアナリストも「今年から来年にかけて、半導体の工場建設計画が非常に強く、事業環境は良好だ。米マイクロン・テクノロジーが今年の設備投資見通しを引き上げるなど、特にDRAMの投資が伸びている」と指摘する。

 下図はDRAMとNANDフラッシュメモリーのスポット価格の推移だ。25年後半から価格が急上昇している。

「25年初1ドルだったDRAMの価格が直近は30ドル以上になっている」(斎藤氏)

 けん引するのはAI半導体の需要拡大だ。半導体市場は右肩上がりが継続しており、直近は成長スピードが加速している。

 半導体セクターにとっては、生成AIの競争に加えて、米中対立を含めた先端技術の覇権争いも追い風になっている。半導体セクターは「“ほどほどの地政学リスク”はむしろプラスになる可能性がある」(斎藤氏)という特徴がある。

 各国で工場を誘致する流れが継続しており、結果として日本勢が強い材料や製造装置の需要が伸びやすい。仮に部材の供給が不足したとしても、潜在需要は強いので、平時に戻ればたまっていた需要として一気に戻る可能性が高いという。

 とはいえ、当然ながら同じ半導体セクターでも業績や株価の強さは異なる。4月後半からは各社の決算発表がスタートするが、斎藤氏は足元では主役交代が起こっており、当面は二つの領域がけん引するとみている。その背景とは何か。

 次ページでは半導体セクターの最新トレンドを丁寧に解説しつつ、技術革新が進む中で躍進が期待できる本命企業や、地味だけれども台湾TSMCや米エヌビディアが必要とする企業について具体名を挙げて分析。次なる主役候補や半導体セクターの最新序列についても紹介していく。